
綾花と加奈は学校の帰り道に、“テケテケ”という不気味な音を耳にする。その翌日、綾花は下半身の無い死体で発見され、世間では下半身のない人間の都市伝説「テケテケ」の話題で持ちきりになる。そのテケテケが遂に可奈の目の前にも現われ……(映画.comより引用)。2009年公開作品。監督は白石晃士で、出演は大島優子、山崎真実、西田麻衣、一慶、阿部進之介、小島可奈子、蛍雪次朗、長宗我部陽子。
当時AKB48にいた大島優子が主演しています。前田敦子主演の『クロユリ団地』や島崎遥香主演の『劇場霊』など、AKB48はホラー映画と絡むことが多いです(ちなみに両作品とも中田秀夫監督です)。AKBヲタは観に来るのだから、ただ怖がって叫んでいればいいとでも思っているのでしょうか。なめんなよ、秋元康。AKB48が多数出演した『伝染歌』は最悪だったぞ(原田眞人監督にホラー映画を撮らせてはいけません。『狗神』もひどかったです)。
メインキャストがアイドルや若手俳優なので、正直なところ、下手な芝居を延々と見せられます。大学教授役の蛍雪次朗が出てくるシーンで、やっと安心できます。
下半身のないテケテケ(長宗我部陽子)視点からの映像は、ローアングルでカメラを高速移動させる『死霊のはらわた』方式です。そのテケテケは比較的早い段階で姿を見せます。これは、貞子の姿を終盤まで見せない『リング』より、伽椰子と俊雄が早々に姿を現す『呪怨』のスタイルに近いものがあります。それでいて、都市伝説や噂が物語のベースになっている点や、死へのタイムリミットが設定されている点は、『リング』と共通しています。単なる「いいとこ取り」と言われたら、それまでのことですけど、本作の白石晃士監督が後に『貞子VS伽椰子』を手がけるのですから、意味がありそうな気もします。
本作のように都市伝説を基にしたホラー映画は数多くあります。白石監督も『ノロイ』や『口裂け女』を撮っています。テケテケに関する噂には、終戦後のGHQ支配や阪神大震災が絡んでおり、本作に限らず、都市伝説が生まれる背景には、大衆の社会的不安があり、それへの共感が恐怖を増幅させることを示しているのです。
★★☆☆☆(2017年1月28日(土)インターネット配信動画で鑑賞)
『着信アリ』シリーズは秋元康の企画です。AKB48は出演していませんが。