【映画評】男はつらいよ 奮闘篇 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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フーテンの寅こと車寅次郎が巻き起こす騒動を描く国民的人気シリーズ第7作。1971年公開作品。監督は山田洋次で、出演は渥美清、倍賞千恵子、榊原るみ、光本幸子、ミヤコ蝶々、田中邦衛、犬塚弘、柳家小さん、前田吟、三崎千恵子、太宰久雄、佐藤蛾次郎、森川信、笠智衆。
 
前作『男はつらいよ 純情篇』から3ヶ月後という超高速な公開ペースです。ストーリーの大筋は同じとは言え、細部の変更があるので、山田洋次恐るべしです。
 
マドンナ役は榊原るみで、青森から出てきた知的障害のある少女を演じています。6作目までのマドンナのように「本命である男と結ばれる」というパターンとは異なる形で寅さん(渥美清)と別れます。マンネリを避けるための細部の変更です。
 
1作目『男はつらいよ』のマドンナ役である光本幸子が再登場したり、寅さんの生みの親であるお菊(ミヤコ蝶々)と「とらや」の人々との会話で寅さんの女性遍歴が語られたりと、過去のシリーズとの繋がりを活かしています。シリーズ物の強みです。
 
お菊は2作目『続・男はつらいよ』以来の登場です。早とちりと口の悪さに寅さんとの血の繋がりを感じさせます。さて私は以前“「007」と「男はつらいよ」は似ている説”を書きましたが、その論拠に「お菊=M」を加えたいです。『007 スカイフォール』では、ジェームズ・ボンドの上司Mが、実はボンドの母親ではないかと思わせる演出が散りばめられています。ボンドの母親は死んだことになっていますが、それは諜報機関に身を投じるため、愛する息子を危険に晒したくないからでしょう。またスパイとして未完成なボンドを何とか守ろうとするのは、母親の愛情によるものでしょう。ボンドを演じるダニエル・クレイグとMを演じるジュディ・デンチの髪と目の色は似ています。デンチと蝶々は……ベテラン女優の風格が似ています。この仮説は間違いないです。
 
そんな与太話はさておき、葛飾柴又の住民を巻き込んだ騒動の末、最後は寅さんと妹さくら(倍賞千恵子)の二人で締めます。それは、このシリーズの定番であり、結局寅さんとさくらの兄妹が中心の物語であることを表しています。
 
★★★☆☆(2016年12月13日(火)DVD鑑賞)
 
姓はトランプ 名はドナルド 人呼んでプレジデントのトラと発します
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