ダンス教室の美人先生にひと目惚れしたタップの名人が素人のフリをして入門、コンビを組んで超一流ナイトクラブで豪華絢爛たるナンバーに妙技をくりひろげる(DVDジャケットより)。1936年日本公開作品。監督はジョージ・スティーヴンスで、出演はフレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、ヴィクター・ムーア、ヘレン・ブロードリック、エリック・ブロア、ベティ・ファーネス。
邦題は三谷幸喜監督『THE 有頂天ホテル』という題名の元ネタにもされています。それほどの名作だということです。ただし邦題は戦前の公開時に付けられたもので、現在は『スイング・タイム』という原題でも通用します。
ミュージカル映画で、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの歌とダンスを楽しむ作品です。ストーリーを解釈したり、演出を分析したりと小難しいことはせずに、ただ感覚的にスイングすればいいのです。
往年のクラシック映画にオマージュを捧げた、『アーティスト』で主演の二人が息ピッタリに踊るシーンは終盤の短いシーンだけです。それに対し、本作では何度もアステアとロジャースが息ピッタリに踊るシーンがあります。『アーティスト』の二人が踊るシーンを成功させるためには、長時間の事前練習とリハーサルを要したそうです。本作でも、アステアとロジャースのスキルの高さがあるとは言え、歌とダンスを成功させるために、かなりの時間を要したことは想像できます。贅沢な映画作りです。
さてミュージカル映画の場合、観客の感覚に合うかどうかが作品の評価に影響します。私個人の好みとして、本作は「残念ながら、お口に合わない」という感じでした。しかし、本作にハマる人もいますので、食わず嫌いすることなく、一度ご覧になってはいかがでしょうか。
★★☆☆☆(2016年10月3日(日)DVD鑑賞)
今のところ、私のベストミュージカル映画は『雨に唄えば』です。