
米空軍テストパイロットのハル・ジョーダンはある日、宇宙の平和と正義を守る組織「グリーン・ランタン」の一員に選ばれる。宇宙最強の武器と言われるパワーリングの力に当初は戸惑うハルだったが、幼なじみで恋人のキャロルや仲間たちを守るため、全宇宙を巻き込んだ壮大な戦いに身を投じていく(映画.comより引用)。2011年日本公開作品。監督はマーティン・キャンベルで、出演はライアン・レイノルズ、ブレイク・ライヴリー、ピーター・サースガード、マーク・ストロング、アンジェラ・バセット、ティム・ロビンス。
DCコミック原作のアメコミ実写化作品です。大作として公開されながら、興行的に失敗し、ラストで続編の前フリをしたにもかかわらず、今のところ続編製作の話を聞かないという結果になりました。
失敗の原因には、ビジュアルの悪さがあるのではないでしょうか。正義の味方が愛着のある外見をしていません。ライアン・レイノルズ演じるグリーン・ランタンは、『バットマン フォーエバー』の悪役リドラーみたいです。味方の連中も悪役にしか見えません(上掲画像参照)。
個人的には、設定上、物質世界と精神世界の区別が曖昧であることも気になります。宇宙人が出てくる話なのでSF(サイエンス・フィクション)即ち物質世界の話かと思えば、グリーン・ランタンの武器は「意志の力」というスピリチュアルなもの即ち精神世界の話になるので、ちぐはぐな印象を受けます。科学と神話が渾然一体となった『マイティ・ソー』を観た時と同じ感覚です。
『マトリックス』三部作も「意志の力」で戦いますが、あの戦いはヴァーチャル空間内の出来事ですから、精神世界で閉じているわけです。本作や『マイティ・ソー』の場合、現実である物質世界で戦い、被害も発生させているので、どうにも腑に落ちないのです。
その点は、聖書の記述が事実だと信じるようなキリスト教保守勢力が、現実の政治を動かしているアメリカだからOKなのかなと思ったのですが、全米興行収入も思わしくなかったらしいので、やっぱり万国共通でダメなのだと納得しました。
★☆☆☆☆(2016年6月24日(金)DVD鑑賞)
ライアン・レイノルズはアメコミ実写化映画『デッドプール』のヒットでリベンジを果たしました。