
ドイツ領東アフリカ。イギリス人宣教師ローズの兄がドイツ兵による略奪行為の際に命を落とす。妹ローズは飲んだくれの男チャーリーが操縦するオンボロ蒸気船“アフリカの女王”号に乗り込み、現地を脱出。川を下るチャーリーとローズは沿岸のドイツ砲艦を手製の魚雷で撃沈しようとたくらむ。しかしその途中、銃撃や急流といった数多の難関が待ち受けていた! 身分違いの男女が繰り広げる冒険とロマンスを描いた痛快娯楽作(映画.comより引用)。1952年日本公開作品。監督はジョン・ヒューストンで、出演はハンフリー・ボガート、キャサリン・ヘップバーン、ロバート・モーリー。
ハンフリー・ボガートが、『カサブランカ』などの演技と異なり、粗野な男チャーリーをコミカルに演じます。この振り幅は、現代で言ったら、ジョージ・クルーニーあたりでしょうか。
時代設定は第一次世界大戦下で、ドイツ軍が悪役にされています。製作当時(1951年頃)、第二次世界大戦時のナチスドイツを悪役にすることはあったでしょうが、それ以前に遡ってドイツを悪役にするケースは珍しいような気がします(日本に置き換えれば、第二次世界大戦時の日本軍を悪役にする映画は多くあっても、日露戦争時の日本軍を悪役にする映画は少ないということです)。
初めは険悪な関係で衝突していたチャーリーとローズ(ヘップバーン)が、危機的状況を乗り越えていくことで親密な関係になっていきます。心理学で言うところの「吊り橋効果」みたいなことです。『スピード』で、危機的状況で結ばれたカップルは、すぐに別れるということを言っていましたが、チャーリーとローズもそうなるのでしょうか。いや、なるべきです!(モテないおっさんの僻み)。
次々と展開する冒険の間に、アフリカの自然や動物の姿が映し出されます。アフリカで現地ロケした賜物です。ネイチャー系番組のようであり、チャーリーとローズの恋愛を見て僻んでいる、おっさんの心を癒す効果もあります。
★★★☆☆(2016年4月21日(木)DVD鑑賞)
沢田研二『カサブランカ・ダンディ』歌詞中の「ボギー」は、ハンフリー・ボガートの愛称です。