
不良少女グループのリーダーである兄と、その兄を慕う弟の危うい青春の日々を描く(映画.comより引用)。1984年日本公開作品。監督はフランシス・フォード・コッポラで、出演はマット・ディロン、ミッキー・ローク、ダイアン・レイン、デニス・ホッパー。
『アウトサイダー』に続く、コッポラ監督の不良青春映画です。製作総指揮も兼ねているので、甥のニコラス・ケイジと娘のソフィア・コッポラも出演させています。今だったら、「コネでゴリ押し」とバッシングされそうなキャスティングです。
一部カラーですが、ほぼ全編がモノクロです。兄(ローク)が色盲であるという設定や、舞台となる街が魅力のない=色のない場所であるという表現を理由に挙げることができます。しかし、カラーとなるのがランブルフィッシュ(闘魚)だけなので、単純にコッポラ監督が敬愛する黒澤明の『天国と地獄』の真似をしたかったというのが真相のような気もします。
弟(ディロン)にとって、兄は憧れの対象でありながら、いつか克服すべき存在です。これは、同じコッポラ監督の『ゴッドファーザー』におけるヴィトー・コルレオーネ、『地獄の黙示録』におけるカーツ大佐と共通しています。弟は前者においてマイケル・コルレオーネ、後者においてウィラード大尉に該当します。おそらくコッポラ監督が好きなストーリー構図なのではないでしょうか。ヴィトーとカーツを演じたマーロン・ブランドと、本作のミッキー・ロークが、同じアクターズスタジオ出身の不良キャラ俳優であることからも、そう解釈できます(一種の新旧交代です。当時のブランドに青年役は無理ですから)。
ラストで兄の言葉に従い、広い世界を見るため、バイクで旅立った弟の姿は、カリスマの継承という『ゴッドファーザー』のそれと似ています。
★★★☆☆(2016年1月25日(月)DVD鑑賞)
途中に出てくる「幽体離脱」のシーンって何だったのだろう…。