「『釣りバカ』? 誰が見んの?(笑)」フジテレビ社員が暴言連発! 酒席でのテレ東批判に呆然……
テレビ東京で10月からスタートした、金曜20時のドラマ『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~』。ご存じの通り、西田敏行&故・三國連太郎のコンビで長い間愛され続けた、国民的映画シリーズのドラマ版である。今回は“新入社員”だけあって、ドラマ版ではハマちゃん役を濱田岳が演じ、スーさん役は映画版ではハマちゃん役だった西田が演じることとなり、放送前から話題になった。
筆者が先日、とある酒席でテレビ関係者を含めた数人と一緒になった際、なんの気なしに出したのがこの話題である。するとここで、そのうちのひとりがこう続けたのだ。
「『釣りバカ』? だってテレ東でしょ? 誰が見んの?(笑)」
よくよく話を聞いてみると、くだんの発言をした人物はフジテレビ社員で、制作にも携わっているという。ここ最近のフジの惨状は明らかなのだが、その人物はそんなこと我関せずといった様子で、テレ東を嘲笑する発言を繰り返していた。
そんな中、10月23日に放送されたドラマ版の初回平均視聴率は10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。その裏でフジは、特番『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』を放送。こちらは平均視聴率9.0%と、テレ東に僅差で敗北した。
翌週10月30日、『釣りバカ』は平均視聴率7.8%とダウン、一方のフジは『巷のリアルTV カミングアウト!スペシャル』とまたしても特番を放送するも、平均視聴率はここでも7.0%と敗北。11月6日放送の『釣りバカ』は平均視聴率8.1%で、やっと『ダウンタウンなうスペシャル』を放送したフジが10.0%と、テレ東に勝利することができた。
あれだけ高みからテレ東批判を繰り広げたのだから、視聴率は大差で圧勝かと思いきや、僅差で敗北とは、さすがはフジ。いまだ過去の栄光にすがり、地道に面白いものを作り上げようとする者を嘲笑するプライドの高さだけは当時のまま。フジテレビの凋落は、いつまで続くのだろうか?
転載元:日刊サイゾー
【ここから私の意見】
先日、フジテレビの低迷ぶりを記事にしましたが、この記事があったことを思い出しました。今や「だってフジテレビでしょ? 誰が見んの?(笑)」と言われても、ぐうの音も出ないほどの惨状ですけどね。
テレビ東京の『釣りバカ日誌』は、映画版がそうであったようにベタ(ありきたり)なコメディです。斬新で革命的な設定や演出などなく、とにかく視聴者を楽しませようと、スタッフと演者が地道に良い仕事をしています。その結果が視聴率にも表れています。
ベタで成功しているのは、NHK大阪制作の朝の連続テレビ小説です。平成24年度後期の『純と愛』で失敗した反省から、ベタな朝ドラを作って成功しています。『ごちそうさん』、『マッサン』、『あさが来た』は、明治から昭和期が舞台(現代劇ではないということ)で、夫婦ともに助け合い、様々な苦難を乗り越えて夢を叶えるというストーリーが共通しています。主婦層の共感を呼ぶ、定番の「嫁いびり」も必ず入ります。その結果、評判が良く、テレビ離れの風潮がある最近でも、高視聴率を取っています。
ベタは簡単なようで、実は難しいのです。人は目新しいものに飛びつき、ありきたりなものを無視します。一見ありきたりのもので人目を引くためには、内容の充実が欠かせません。例えば国民的映画シリーズ『男はつらいよ』や、ドリフターズのコント番組は、マンネリの一言で馬鹿にされてきました。しかし、『男はつらいよ』は変わらぬ大筋でありながら、台詞の掛け合いや笑いの取り方は毎回工夫され、実は一作ごとに細かい違いがあります。ドリフターズのコントも同じことが言えます。料理で言えば、珍しい食材を使ったオリジナル創作料理より、ありきたりな家庭料理の方が料理人の技量や知恵が反映し、奥が深いということです。
ベタな他局の番組を嘲笑し、独りよがりなプライドで作った「斬新な番組」で惨敗するフジテレビ。長年のコネ採用による弊害でしょうか。人事面でも意識面でも局内改革をし、ベタなものでも誠心誠意作り込むという姿勢が定着しなければ、フジテレビの浮上は有り得ないでしょう。
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