【映画評】悪魔のはらわた(フレッシュ・フォー・フランケンシュタイン) | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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内臓に異常な愛情を抱くフランケンシュタイン博士が男女の人造人間を作り上げるまでの物語(映画.comより引用)。1974年日本公開作品。監督はポール・モリセイで、出演はジョー・ダレッサンドロ、モニーク・ヴァン・ヴーレン、ウド・キア。
 
監修がアンディ・ウォーホールなので、アート作品かと構えていたら、エログロ変態映画だったので、意外性に驚きながらも面白かったです。
 
博士役のウド・キアが物凄いです。差別主義者で内臓フェチのド変態を鬼気迫る勢いで演じます。女性の人造人間の臓物を掴みだしてはウットリと陶酔し、屍姦までやらかしてくれます。私がこれまで屍姦シーンを観た映画は、ドイツ映画『ネクロマンティック』と、三池崇史監督で遠藤憲一が暴走する『ビジターQ』くらいのものです(2本でも十分)。変態インテリの極致です。しかし、男性の人造人間を作る準備の「材料集め」で間抜けなミスをして、本当はバカなのではないかと思わせます。
 
モニーク・ヴァン・ヴーレンが演じた、博士の妻であり姉(!)は色情狂で、若くて絶倫の農夫(ダレッサンドロ)を快楽の道具にするため、博士に無理を言って雇います。しかし、彼を屋敷に引き入れたことが、自分たち一家を悲劇に向かわせる契機になってしまいます。結局、博士やその妻の姿から、特権階級は変態でバカだという反権威的思想が見えてきます。
 
本作は、本質的にコメディです。ウド・キアら出演者はオーバーアクトですし、本作公開時は3D上映で「飛び出す内臓」が売りの見世物映画だったのですから。ラストで農夫がどうなるかについては、冒頭で暗示されており、ブラック・コメディとも言えます。
 
それでも、観客の想像を上回るものを見せてやるという見世物的発想が、受け手(世間)の常識に衝撃を与えるという芸術的発想とリンクして、不思議なことにアート作品のようにも思えてくるから、不思議なのです。
 
★★★★☆(2015年11月3日(火)DVD鑑賞)
 
映画ポスターで腹を棒で突き抜かれ、内臓を飛び出させているのがウド・キアです。
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