【映画評】戦国自衛隊 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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四百年前の戦国時代にタイム・スリップした演習中の自衛隊一個小隊の姿を描く(映画.comより引用)。1979年公開作品。監督は斎藤光正で、出演は千葉真一、中康次、江藤潤、速水亮、にしきのあきら、渡瀬恒彦、夏八木勲。
 
角川春樹プロデュースの「面白かった頃の」角川映画です。VFX全盛の現在から見れば、特撮のチープ感は否定できません。しかし、生の爆破シーンや、千葉が監督を務めたアクションシーンの迫力は、CGには出せない迫力があります。武田軍の騎馬が凄い転び方をし、真田広之が高所のヘリコプターから飛び降ります。
 
キャスティングの意外性も楽しめます。自衛隊員役で鈴木ヒロミツ、かまやつひろしというミュージシャンが出演していたり、角川映画なので薬師丸ひろ子が若武者役で出演していたりします。
 
本作は女性キャストが極めて少ない映画です。戦国時代で自衛隊という男の世界ですから、伊庭三尉(千葉)と長尾景虎(夏八木)の男同士の絆がメインです。白ふんどし姿の伊庭と長尾が波打ち際で語らうシーンは、何やらホモテイストが漂ってくるほどです(長尾景虎=上杉謙信は男色家だったという説があるので、尚更のことです)。
 
タイムスリップにより「国土の防衛」という縛りが無くなった、むき出しの自衛隊の姿が描かれます。平和な時代に生まれ、実戦経験=人殺しをしたことがなく、恐怖に戦慄する自衛隊員。武力の優位をいいことに、略奪と強姦に走る、欲望丸出しの自衛隊員。今の情勢の下、本作は自衛隊というものを再考する契機になり得るでしょう。
 
★★★★☆(2015年6月22日(月)DVD鑑賞)
 
この時代の角川映画に比べ、今の角川映画と言ったら・・・。
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