嫌韓や反中を罵詈雑言で声高に主張する「ヘイトスピーチ」が公然と行われ、ヘイトスピーチと同じ主張を文章や漫画で表現する「ヘイト本」が書店の店頭に並ぶ現代日本。そんな恥ずかしい現状で、ヘイトスピーチへの対抗本を陳列した「反ヘイト棚」を構えた本屋が神戸に出現したそうです(LITERAより)。店名は「書肆(しょし)スウィートヒアアフター」で、正式にオープンしたのが2014年12月の新米店です。
店長の宮崎勝歓(かつよし)さん(36歳)の言葉で、私の目を引いたのは次の二つです。
「元から戦後責任や従軍慰安婦、植民地支配の問題は興味がありました。それでも、90年代後半に歴史教科書の問題が起こったときなんかはまだ客観視していたと思う。今回『良い朝鮮人も悪い朝鮮人も殺せ』という在特会のプラカードを見たときに、自分自身が『当事者』として『対決せなアカン』って思ったんですよね。傍観者じゃなくこの人らと同じ日本人の当事者として、NOの意思表示をしなきゃいけないなって」
「うちのお店は『マイノリティのため』というよりは、普通の人、今まで社会問題に関心のなかった人に『気づき』を与えられる場所にしたい。生活保護バッシング、沖縄問題……なんでもいいんですが、今までそういう問題をあまりよく知らなかった人に来てほしいと思っています」
「朝鮮人」や「支那人」などと集団で括った場合、それに対するのは個人ではなく、「日本人」という集団です。ヘイトスピーチで愛国者気取りの連中は、日本人の代表という身分になります。あんな下品で頭の悪いバカと自分が同じ括りにされたくなければ、他人事と捉えず、NOの意思表示をすることが必要です。
書肆スウィートヒアアフターは、反ヘイト本のみならず、他の社会問題についての書籍も並べています。書物が人に与える影響は、所詮「気づき」です。「気づき」を得られるか、そして「気づき」に基づいて行動に出るかは、個人の問題であり、干渉することはできません。だから書物を読む機会は広く与えられるべきで、規制を必要最小限に止めるのが、文明国に住む理知的な人間のあり方です。
「気づき」を与える書物を規制する勢力は、自分の行動の愚かさが見えません。それが見えたら、自分が他人の意見にビビリまくる小心者だとバレますからね。安倍政権が新聞やテレビのお偉いさんと会食し、懐柔することで、都合の悪い情報を隠蔽するのも、やはり他人の意見にビビリまくる小心者だからです(週刊ポスト5/8・15号より)。
今回の取材により、書肆スウィートヒアアフターにバカな連中から嫌がらせや妨害を受けることがあるかもしれません。その時は顛末をSNSで伝えてください。拡散してバカな連中を返り討ちします。まともな大多数の日本国民は、書肆スウィートヒアアフターの味方でしょう。
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