サザンオールスターズは今年6月でデビューから37年を迎えます。途中に活動休止期間もありましたが、息の長いバンドです。その歴史の長さを感じさせる作品が、アルバム『葡萄』に収録されています(歌詞は、各曲名をクリックすれば、sas-fan.netにリンクします)。
9曲目:東京VICTORY
2020年開催予定の東京オリンピックに向け、ネガティブな話題もあるけど、ポジティブで行こうという気持ちを歌った曲です。歌詞中の「希望の灯火(ともしび) それは金色(きん)に光る一番星」は金メダルの栄光を、「時が止まったままの あの日のMy hometown 二度と戻れぬ故郷」は原発事故後の福島を意味しています。サザンがデビュー時から使用しているビクタースタジオの屋上からは、国立競技場が見えます。それ故、オリンピック開催に伴う競技場改修は、彼らにとって時代の流れを感じさせるのでしょう。タイトルの「VICTORY」には「VICTOR(ビクター)」が含まれています。
13曲目:天国オン・ザ・ビーチ
サザンお家芸のエロソングであり、古き良き日本の芸能界の匂いがする曲です。芸能人水泳大会が放送されていた頃の大磯ロングビーチのイメージです。デビュー当時のサザンは色物扱いされ、テレビの歌番組に頻繁に出演していました。一発屋で消えると囁かれながらも、現在の地位を築きました。それは、「チャコの海岸物語」で歌われたような桑田の昭和歌謡へのリスペクトと、渡辺プロ(ナベプロ)出身の大里洋吉(現アミューズ会長)が志向するエンターテインメント像が、奇跡の出会いを果たしたからだと思うのです。
To be continued......