来週3月31日火曜日、サザンオールスターズ10年ぶりとなるニューアルバム『葡萄』が発売されます。
桑田佳祐名義でも活動しているため、前作『キラーストリート』から10年も経ったという実感がありません。それでもサザンの新譜は心躍る大好物です。
実際に聴いた後のレビューは、いずれ書きます。今回は年末年始に起こった騒動に絡めて、思いを綴ります。
『葡萄』にも収録されている「ピースとハイライト」の政治的メッセージ性と、年越しライブでのパフォーマンスが、いわゆる“ネトウヨ”の気に障ったらしく、所属事務所前での抗議デモ(まあ、小規模のチンケなデモですが)にまで発展し、桑田が謝罪文まで出すに至ったという騒動です。特に「ミュージシャンは政治を歌うべきではない」とか「サザン(桑田)が変わってしまった」とかいう批判に対し、反論します。サザンは昔から政治的メッセージ性のある曲を世に出しています。サザン名義のアルバム収録曲だけでも次のとおりです(sas-fan.netより)
・悲しみはメリーゴーランド(『KAMAKURA』収録)
・政治家(『SOUTHEN ALL STARS』収録)
・ニッポンのヒール(『世に万葉の花が咲くなり』収録)
・汚れた台所(『Young Love』収録)
・爆笑アイランド(『さくら』収録)
・Mr.ブラック・ジャック ~裸の王様~(『キラーストリート』収録)
各アルバムに1曲は収録されています。桑田佳祐ソロ名義アルバムもそうですが、ここでは割愛します。「サザン(桑田)が変わってしまった」などと言う奴には、「おまえは今まで何を聴いてきたんだ?」と問いたいです。薄っぺらな奴です。
「ミュージシャンは政治を歌うべきではない」という批判どおりに、政治性や社会性のない曲だけが世に溢れたら、そいつは「日本の音楽は恋愛や失恋の歌か、人生の応援ソングしかない」などと批判するに決まっています。単に言いがかりをつけたい、批判のための批判です。何の生産性もない意見です。その程度だから、日本からボブ・ディランやジョン・レノンは生まれないのです。
恐れ多いことですが、ここに天皇陛下の新年に当たってのご感想(平成27年)を一部掲載します(宮内庁ホームページより)
本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。
この1年が,我が国の人々,そして世界の人々にとり,幸せな年となることを心より祈ります。
戦争の歴史を十分に学ぼうにも、「教科書は現代史をやる前に時間切れ」です。学べないから、「悲しい過去も愚かな行為も人間(ひと)は何故に忘れてしまう」のです。今後の日本のあり方を考えることは、「未来に平和の花咲くまで」「希望の苗を植え」「地上に愛を育てる」という未来志向です。我が国そして世界の人々が幸せになるためには、「色んな事情があるけど」「互いのイイところ」を理解することです。「硬い拳を振り上げても心開かない」し、最悪の場合、「燻(くすぶ)る火種が燃え上がるだけ」です。陛下は皆の幸せを心より祈ります。「互いの幸せ願うことなど」「絵空事かな?お伽噺かな?」
カギ括弧内は「ピースとハイライト」からの引用です。サザン(桑田)を「反日」で「在日」で「売国奴」だとレッテル貼りするならば、陛下も「反日」で「在日」で「売国奴」ということになります。これだから、“ネトウヨ”は論理一貫性がなく、脊髄反射的な罵詈雑言を吐く、頭の悪い連中にしか見えないのです。
“ネトウヨ”の中には、所持していたサザンのCDを捨ててやったと自慢している者までいました。心を病んでいる人ならではの虚言かもしれません。本当だとしても、そいつは人を好きになる力が足りない愚かな奴です(「捨てるくらいならブックオフに売ればいいのに。頭悪いなあ」とも思いました)。
私は、期待に胸を熱くして『葡萄』を待っていますよ!
サザンオールスターズ過去の名盤で予習復習を!