
17歳の少女が春休みに体験した恋、同級生との交流を通じて成長するさまを描く、赤川次郎の同名小説を映画化(映画.comより引用)。1985年公開で角川映画10周年記念映画。監督は澤井信一郎で、出演は原田知世、林隆三、田中邦衛、由紀さおり、仙道敦子。
本作の脚本は那須真知子。あの実写版『デビルマン』の那須(嫁)です。よほど酷い脚本になっているかと不安感いっぱいでしたが、それほどではありません。おそらく、この人はスケールの小さい話だと力を出せるが、大作を任せると大惨事になるタイプなのだと思います。
冒頭から長回しが使われ、作中でも多用されます。長回しで有名なのは、相米慎二監督です。また、由紀さおり、津村鷹志、伊藤克信というキャスティングは森田芳光監督作品を思わせます。これは、『セーラー服と機関銃』、『メイン・テーマ』、澤井監督の『Wの悲劇』という薬師丸ひろ子が歩んできた道を、後輩の原田にも歩ませようとする角川春樹の戦略だと思います。
薬師丸と原田は角川三人娘(あと一人は渡辺典子)でしたが、現在の二人は女優として別の道を歩んでいるような気がします。薬師丸は『ALWAYS 三丁目の夕日』などで実年齢に即した役(母親役)を演じることが多いのに対し、原田は年齢不詳でミステリアスな空気を漂わせています。どちらも女優の生きる道として有りだと思います。そして、その原田が十代にして女優然としている本作は、他のアイドル映画と異なる印象を残すのです。
★★★☆☆(2014年12月9日(火)テレビ鑑賞)
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