【映画評】真夜中のカーボーイ | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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虚飾の大都会ニューヨークの混沌から、必死に浮かび上がろうとする2人の若者の物語(映画.comより引用)。1969年公作品。監督はジョン・シュレシンジャーで、出演はダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイト、シルヴィア・マイルズ。
 
ヴォイト演じるジョーは、テキサスからニューヨークへ出て、若い肉体を武器に女性から金を巻き上げる仕事に就こうとします。それはラジオからの情報を鵜呑みにしたからです。現在の日本で言えば、「テレビの情報を信じ、一流ホストになるため東京に出てきた田舎青年」のことです。
 
しかし、それは上手くいくはずもなく、挫折します。カウボーイの格好は単なるホモの客寄せのためのコスプレになってしまいます。この点にアメリカ的マッチョイズムの否定が見られます(ジョーは“男”になるために都会へ出てきたのですから)。カウボーイとホモの組み合わせと言えば、『ブロークバック・マウンテン』があります。これは切ない映画です。
 
挫折したジョーとラッツオ(ホフマン)の二人の生活が物語の中心です。その生活は、しみったれて無様ですが、共感できるカッコよさが漂っています。この「カッコ悪いことがカッコいい」という価値観は、後のアメリカ映画のみならず、日本映画にも飛び火します。萩原健一主演の『アフリカの光』がそうですし、同じく萩原主演のTVドラマ『傷だらけの天使』の最終回は、本作のラストに似ています。
 
本作のジョーとラッツオの関係にホモの匂いを感じるという意見も聞いたことがあります。全体的にホモの匂いが漂う映画であることは間違いありません。男二人の友情にボーイズラブの匂いを嗅ぎ付ける、腐女子的発想も本作の影響下にあるとしたら、後世への影響力が甚だしい映画だと思います。
 
★★★☆☆(2014年12月5日(金)DVD鑑賞)
 
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