芽むしり仔撃ち | 圭一ブログ

圭一ブログ

圭一のブログです。1984年宮崎県生まれ

芽むしり仔撃ち (新潮文庫)/大江 健三郎

¥420

色と匂いのイメージが常に強烈にあり、想像力をかきたてる。
抽象的なものに対して野性的かつクールに常に反応し、苛立っているのは村上龍の小説に似てる。
(物語の構造が社会を象徴しているところも龍っぽい。てか龍が影響を受けているのか…… )
それが身体性を獲得して、臨場感をつくっている。

日本近代文学が取り扱ってきた男色、
ドストエフスキーが執着した恥の概念が自然に取り入れられているところに時代性も感じた。

主人公が、移動と隔離と解放の段階を経る展開は、終戦を迎えた日本のメタファーか。