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天野由梨のinformation

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「先生、それはじょうだんですか。それとも、小説かなんかの話ですか」
 新田先生には、博士の言葉がまだのみこめなかった。
 そうでもあろう。地球が粉みじんになる日が来るなんて、そんなばかばかしいことが、あるであろうか。
 さもなければ、蟻田博士は、やはり病院にはいっている方が、いい人なのではなかろうか。つまり博士は、変になっているのではなかろうか。
 新田先生はどっちに考えていいのか、たいへん迷った。
 蟻田博士は、記録紙を机の上にのせると、ていねいに巻いていった。そうしてそれを大事そうに側の金庫の中にしまった。その間、博士は一言も発しなかったが、それが終ると深いため息をついて、新田先生の方を見た。
「おい、新田。お前には、このことがのみこめないかもしれない。が、よくお聞き。さっきも言ったように、かねて注意を払っておいたモロー彗星が、わしの留守中、急に進路を変えたのだ。その結果モロー彗星の新しい進路は、これから地球が通っていくはずの軌道と交るのだ。しかもその交る時刻に、モロー彗星も、地球も、その軌道の交点に来るのだ。