ケタが違うなぁ。



復旧費など、7行が月内にも 原発の火力代替、5000億円の燃料費増


東日本大震災で発電所に大きな損害が発生した東京電力に対し、三井住友銀行など3メガ銀と中央三井信託銀行など4信託銀が2兆円規模の緊急融資を実施する方向で検討に入ったことが分かった。7行は月内にも融資する見通し。復旧費や運転資金などを必要とする東電の要請に応える。東電は第一生命保険など大手生保にも近く融資を打診するほか、日本政策投資銀行も融資団に加わる可能性がある。

 東電が緊急融資を要請したのは三井住友銀、みずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行と、中央三井、住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行。各行は融資に応じる見通しで、三井住友銀が6000億円、みずほコーポ銀が5000億円、三菱東京UFJ銀が3000億円とし、信託銀が4行合計で5000億円程度とする方向で調整している。

 融資団には政府系金融機関の政投銀も加わるもよう。政府は東日本大震災の復旧支援に向けて日本政策金融公庫に設けた危機対応融資を発動する方針。政投銀などが審査や融資を担うが、東電も融資先の候補になる見込みだ。一方、生保各社は保有する東電株の株価下落で業績に影響を受けており、融資要請にすぐに応じるかは微妙だ。

予想される資金使途
被災した火力発電所の再稼働費用
原子力の代替として、石油や液化天然ガス(LNG)の調達費用増
福島第1原子力発電所の事故対策や核燃料の処理費用
福島第2原子力発電所の補修費用
社債と長期借入金の返済。2011年度約7500億円
 東電は緊急で受ける金融機関の融資を、東日本大震災で事故を起こした福島第1原子力発電所などの処理、電力供給力を回復させるための火力発電所の修理や発電能力増強、社債の償還に充てる。火力発電へのシフトで液化天然ガス(LNG)や重油の購入費用が膨らむことも視野に入れているとみられる。

 東電が原子力発電を火力で代替すると、2011年度に5000億円を超える燃料費増になるとの試算がある。また社債や長期借入金の返済に年間7500億円の資金が必要になる。東電の10年度の設備投資計画は7900億円、発電所の修繕費は4000億円前後で、今回要請した融資はこれを大幅に上回る規模となる。

 東電の手元資金は昨年12月末で約6700億円ある。しかし原発事故の影響で社債発行など市場での調達が難しくなる可能性がある。電力供給の維持に向けた資金需要もにらみ、東電では「あらゆる調達手段で資金確保に努めている。11年度以降も多額の調達を見込んでおり、適宜資金調達を実施しているところだ」としている。


日本経済新聞