福島のラジオ局に勤務していた時に民話の番組を立ち上げる話が出た。
福島には数多くの民話があり語りべさんが活躍していた。
横山幸子さん。
東京で生まれた彼女は戦争から逃れて福島の梁川町に疎開していた。
彼女はその梁川町で結婚し地元の民話に感動し言葉を覚え訛りも習得した。
初めてお会いしたのはラジオ局の専務の紹介。
もっと沢山の人に民話を紹介したいと言う事でご協力を快諾していただいた。
スタジオ収録の時、ヘッドホンから聞こえてくるお話は声だけなのに映像が頭の中に浮かんでくる。
情景、背景、空気。
目に見えないものまで浮かんでくる。
収録が進むにつれ僕は涙を流しながら卓を調整していた。
鼻水をすする音も入っていたかも知れない。
民話なんて子供に聞かせるものと思っていた自分にとって間違いであると感じた瞬間。
聞いた人がどう感じるかはその人次第だがこの語りべさんの話術は同じ言葉を扱うものとして大変勉強になりました。
この番組に携われた事は自分にとって大きな宝になりました。
興味のある方はここで聞いてみてください。