結果にコミットする、
塾がこれを言えないのは卑怯だ、と思っていた。
塾は基本的に無責任体質、合格実績は公表するのに、不合格実績は公表しない、
合格したら塾のおかげ、不合格の場合はてめぇのせい、
そういう業界の体質に、引け目を感じていた。
だからこそ、結果にコミットする、という言葉が魅力的だと思えたし、
抗しがたい響きがした。
友人にそのことを白状したところ、こう言われた。
「学習塾は結果だけでなくプロセスも大事だから、案外結果にコミットするというのは、あてはまらないかもよ」
教育というのは、結果が出なければ全否定、というわけじゃないと友人が教えてくれた。
ハッとさせられた瞬間だった。
自分は何のために教育しているのだろうか。
合格しなければ、意味がない教育をしているつもりなのか…?
ここで、教育者としての資質が問われる。
視点を改めねばならない、と思った。
創塾10年にして、今更こんなことに気がつくのは情けないことかもしれない。
しかし、自分は合格しなければ、全く意味のない教育をするつもりはない。
だから、結果にコミットする、などという謳い文句は、やめなくちゃ、と思った。
友人からの貴重な箴言のおかげで、自分は進むべき道を誤らずに済んだ、気がする。
持つべきものは友だと、改めて感じた。
不惑にして戸惑いっぱなしの自分が情けないと思うが、
それでも、ひとつずつ前に進んで、ブレない自分でありたい。
またひとつ、マトモになれた気がした。
PS
結果以上に教育には大切なものがある。
でも、結果を出すことは、良いことだと思うので、結果を出すべく全力は尽くさなくちゃいけない。
でも、結果は全てではないのだ。
勘違いしないように、気をつけなくては。