以下は、愛媛新聞・地軸より引用です。
ネット出願に思う
出願をインターネットでのみ受け付ける大学が増えている。24時間いつでも可能で、画面の指示に従えば記入漏れのミスを自動チェック、検定料金もすぐさま計算できます―と、いいことずくめのよう▲
でも、気にかかる。対応できる十分な環境が、どの家庭にも整っているとは限らない。合理化の下で取り残される生徒が出ないよう、大学や高校はきめ細かな支えを▲
政府は、経済的理由で進学を断念する高校生を後押しするため給付型奨学金を創設する。来年度は児童養護施設出身者らに、翌年度からは1学年約2万人を対象に本格実施するという。アルバイトで家計を助けながら学ぶたくさんの生徒の夢をかなえるきっかけに、と願う▲
大学入試の本格シーズンに入った。わが子の出願を前に、はたと立ち止まる。自宅の古いパソコンの調子が良くない。大丈夫だろうか▲
ただ、対象となる住民税非課税世帯の進学者は1学年約6万人いるとされ、まだまだ不十分。制度を大きく育てていけるよう政府に求めるとともに、社会全体で支援できる仕組みも考えたい▲
子どもの貧困対策をテーマにした集会での生活保護世帯の高校生の言葉を思い出す。「衣食住は保障されても、社会参加にたくさんのお金がかかる仕組みになっていて、周りと同じように進学や就職ができない。これが貧困の姿」。生まれ育った環境に関わりなく教育が受けられる、そんな当たり前の社会に。
以上。引用終わり。
https://www.ehime-np.co.jp/online/column_chijiku/
おそらく、塾生や保護者の皆さまとは考えが違うとは思うのだが、あえて言わせていただきます。
私は、給付型奨学金というのに、強く反対します。
なぜなら、国にそんなお金がないからです。
大学受験をする子たちを毎年見てきていますが、不思議なのは、
なぜ家から通える距離に国立大学があるのに、そこをめざさないのか、ということです。
ここで言う国立大学というのは、もちろん愛媛大学です。
愛媛大学なら、すごく安上がりでしょう。
私が知る限り、9割以上の子たちが、愛大を目指せるのに無視します。
でも、人それぞれ選択は自由なので、別に県外の大学に行くのは自由でしょう。
しかし、それで給付型奨学金をあてにするのは、虫が良すぎる、
自分で借金覚悟して県外に行くのなら、あとは自分の財布でやりなさい、というのが、私が考えるところです。
卒業の時点で借金を抱えているから、晩婚化・少子化につながるとか、
そんなことを言いますが、そんなもん、こじつけた理由だと思います。
それだったら、地方の大学に行こうとしない学生の発想を変えることから始めなさい、と言いたいです。
私は、今の時代、留学は違うと思うのですが、どこで学んでも同じだと思っています。
環境はあまり関係なくて、要は学ぶ気があればどこで学んでも同じだと思うのです。
難関大学入っても、勉強しないやつはダメだろうし、
Fラン行っても、真面目に研究つづけた子は素晴らしいと思います。
もし優秀な子が家の近くの大学を選ぶようになったら、
それこそおかしな学歴社会なんてのはすぐなくなるだろうと考えます。
愛媛出身の子が、愛媛大学に魅力を感じない、
わざわざ県外の大学を目指す、
そんな風潮がすごくイヤですし、
給付型奨学金というのを実施するのであれば、家から通える距離に大学がなかったのかどうか、
そういう点も考慮に入れるべきだと思います。
私の時代には、そんな甘い発想はなかった。
そして、私自身、働いてから借金を返すことになった。
でも、それは自らの選択の結果であり、当然だったと思います。