先週から今週にかけて、NHKスペシャル マネー・ワールド 資本主義の未来、を3部作全て見た。
この中で、次のようなことが言われていた。
世界の富豪トップ62人がもつ資産は、
世界の貧民36億人がもつ資産に等しい。
私としては、正直、びっくりした。
調べてみると、以下の通りだった。
62位:セルジュ・ダッソー 1兆7240億円
60位:ウラジーミル・ポターニン 1兆3363億円
60位:レイ・ダリオ 1兆8416億円
59位:シュテファン・クヴァント 1兆8416億円
58位:トーマス&レイモンド・クォック&ファミリー 1兆5831億円
57位:パトリック・ドライ 9157億円
56位:馬化騰 1兆9719億円
55位:パロンジ・ミストリー 1兆5846億円
54位:ズザンネ・クラッテン 2兆303億円
53位:アン・コックス・チェンバーズ 2兆303億円
52位:ジョゼフ・サフラ 1兆6307億円
51位:ポール・アレン 2兆1000億円
50位:ミハエル・オットー 1兆8655億円
49位:テオ・アルブレヒトJr&一族 1兆8891億円
48位:アジム・プレムジ 1兆8768億円
47位:マイケル・デル 2兆1590億円
46位:ディーター・シュワルツ 1兆6665億円
45位:ローレン・パウエル 2兆72億円
44位:ディリップ・サングビ 1兆8428億円
43位:チャーリー・アーゲン 1兆6315億円
42位:柳内正 2兆184億円
41位:レオナルド・ブラヴァトニク 1兆9480億円
40位:レオナルド・デル・ヴェッキオ 2兆4526億円
39位:ムケシュ・アンバニ 2兆5339億円
38位:李河君 2816億円
37位:ベアテ・ハイスター&カール・アルブレヒトJr 2兆772億円
35位:フィル・ナイト 2兆9262億円
35位:スティーブ・バルマー 2兆8087億円
34位:ワリード・ビンタラール王子 2兆801億円
33位:ジャック・マー 2兆5619億円
32位:マリア・フランカ・フィッソロ 2兆5619億円
31位:カール・アイカーン 2兆1744億円
29位:王健林 3兆1030億円
29位:ジョージ・ソロス 2兆8797億円
28位:ステファン・パーソン 2兆4330億円
27位:李兆基 2兆6334億円
26位:ジョルジ・パウロ・レマン 2兆7974億円
25位:デイヴィッド・トムソン 2兆6815億円
22位:ジョン・マーズ 2兆7080億円
22位:ジャクリーン・マーズ 2兆7080億円
22位:フォレスト・マーズ・ジュニア 2兆7080億円
21位:ゲオルク・シェフラー 2兆7184億円
20位:セルゲイ・ブリン 4兆1423億円
19位:ラリー・ペイジ 4兆2247億円
18位:シェルドン・アデルソン 2兆6509億円
17位:李嘉誠 3兆3693億円
16位:マーク・ザッカーバーグ 4兆9009億円
15位:ジェフ・ベゾス 5兆9376億円
14位:マイケル・ブルームバーグ 4兆2411億円
13位:ベルナール・アルノー 3兆8893億円
12位:S・ロブソン・ウォルトン 3兆5974億円
11位:アリス・ウォルトン 3兆6418億円
10位:リリアンヌ・ベタンクール 4兆3961億円
9位:ジム・ウォルトン 3兆8333億円
8位:クリスティ・ウォルトン 3兆4913億円
6位:デイビット・コック 4兆6865億円
6位:チャールズ・コック 4兆6865億円
5位:ラリー・エリソン 5兆740億円
4位:アマンシオ・オルテガ 8兆253億円
3位:ウォーレン・バフェット 7兆221億円
2位:カルロス・スリム・ヘル 5兆7239億円
1位:ビル・ゲイツ 9兆418億円
NHKでは、平均すると、一人5兆円くらいなのだと言っていた。
5兆円といえば、万札を積み上げて、富士山10個の高さをゆうに超える。
上の人たちだけで、人類70億人の半分以上、36億人を養うことができる。
さて、本日授業中に、この話を高1生たちに伝えた。
富豪62人=貧民36億人、ということを。
思いの他、無反応だった。
誰も驚いている様子はなかった。
しばらくして、一人の子がこういった。
「何が悪いんですか?」
私は内心、衝撃を覚えつつも、冷静を保って「悪いという訳じゃないけどね」と言ってその場はやり過ごしたのだが、
後になって、すごく後味が悪い…。
本当に、後味が悪いのである。
格差というのは必ずあるものだし、それは社会が合意で決めるものだ。
法的に良い悪いということよりも、倫理感の問題になってくる。
でも、その合意については、全く自分は無知なのだが、
富豪62人=貧民36億人、というのは、あまりにバランスが悪いのではないだろうか。
自分はそのように感じている。
子どもたちの無反応がすごく気になる。
端的に、まだ無知なだけか。
興味がないのか。
スコアをとるための知識は詰め込まれていても、社会に対する関心は希薄なのか。
それとも、本心で「何が悪いの?」と言ったのか。
そのいずれの反応であっても、自分にとっては、後味が悪いのだ。
子どもたちがもし驚いてくれたら、自分にとってはある意味、救いだったかもしれない。
しかし、あの子たちのあの反応は、かなり自分にとっては居心地が悪かった。
別に子どもたちに責任があるわけでは決してない。
しかし、自らがすでに勝ち組にいることを無意識のうちに自覚しているのなら、
社会の不条理に目を向けるような子どもたちになってほしい、と
すごく勝手ながら思った次第である。
私は、「新自由主義」「グローバリズム」がすごくイヤだ。
新自由主義は、現代版奴隷制度を推し進めるものに他ならないと考えている。
大げさと思われるかもしれないが、自分は本心からそう思っている。
新自由主義がもたらす格差は歯止めが必要だと考えるし、
日本は新自由主義に毒されてほしくないと思っている。