ウラジオストクという名の軍港があります。東方を支配せよ、という意味の軍港です。日本海に面したロシアの不凍港で、ロシア南進の拠点の一つでした。


ここより南に、羅津という港があります。北朝鮮にある港です。不審船が帰っていく港として有名です。


この港、実は中国が租借しているという事実を知っていますか。



Jive Talk



週刊現代で読んだのですが、新聞にはこの事実出ていたのでしょうか。あまり騒がれていないような気がします。


でも、明治政府ならば大騒ぎしているニュースだと思います。





中国国境から南に60キロ、ここに続く軍用道路ごと、中国はこの港を50年間租借しました。もちろん、日本海への拠点として、今後使われることになるでしょう。


朝鮮半島の事情といい、台湾の事情といい、日本を取り巻く環境はどちらも日清・日露戦争の頃よりも悪い気がします。これを自力でなんとかしようという国力・軍事力、そして何よりも気概があった明治政府が、本当に羨ましいと思いました。




さて、日本には日米同盟があるから安心、などと思っていたら大間違いです。アメリカはそんなお人よしではありません。


どこの国もそうですが、アメリカも国益というモノサシ一つで国際社会の中で振舞います。いずれ、中国との取引が国益となると判断すれば、日本の意向なんか無視して中国と取引するでしょう。


そういうシミュレーションはすでに行なっているはずです。2007年、中国はアメリカに対して、太平洋の東西分割管理を提案しています。これがアメリカに却下されたのは、国益にならないからです。


しかし、もしも中国の国力が伸びていけば(遅かれ早かれ中国はアメリカを追い越すのは確実)、アメリカはいつでも譲歩するでしょう。その際、日本の意向は無視されます。


つまり、国際政治が大国の都合で動かされていくわけで、日本はプレーヤーとして参加できないわけです。そして、日本にとって、不都合な取り決めが大国によりなされます。世界史を見れば、こんな例は腐るほどあります。


台湾で妥協しておけば南シナ海は守れるとか、アメリカは考えるかもしれませんね。しかし、台湾で妥協なんかされたら、日本のシーレーンはどうなるのでしょうか。




平和国家を謳っておきながら、努力しない日本。国際社会という弱肉強食の世界では、自然淘汰されるでしょう。


もう10年以上も前になることですが、中国留学中に友人から、「日本は去勢された国家」と表現されたことがあります。当時、私はすごく腹が立ちました。日本は戦ったのです。アジア人で唯一、白人に敢然と立ち向かって撃退したわけです。それを、中国人に「去勢された」と言われるのなら、中国人はいったいなんだったのでしょうか。


が、これは今になって、自分がこう表現したいと思っています。日本は第二次大戦で、国家を焦土とされた以上に、精神を焼き尽くされてしまったようです。


それでも第二次大戦は戦ったわけです。戦わずして負けるよりも、戦った。しかし次は、戦う前に外交的に中国のコントロールに置かれそうな気がします。


戦わないで負けるということは、戦って負けるよりも悲惨な結果が待っているでしょう。