昨日、今年東大理3に合格した生徒のお母様とお話をする機会がありました。



実は、現役で理3に通る子を一体どう育てたのか、子を持つ親として、また教育者としてとても興味があり…、めったに聞くことができない生の声ですし、思い切って聞いてみました。



すると…、



私の中で印象に残ったのは、3つです。



1.小さい頃、公園で思いっきり遊ばせた

2.ピアノを5年間やらせた

3.面白そうな塾を選んで行かせた



以上、ひとつずつ、考えてみます。



1.小さい頃、公園で思いっきり遊ばせた、について


塾なんか通わせず、毎日のように公園で、砂場とかで遊ばせていたようです。


ちなみに外で遊ぶことは、空間把握につながるという教育者は結構います。有名なところでは、高濱正伸が、そんなことを盛んに言っています。


これは、自分としてももっともなことだと思うのですが、外で遊ぶことは幾何学において、案外役立つことかもしれません。


お母様は、「子どものうちは、勉強なんか全くさせなかった」、と言っておられましたが、机上の学習よりも、もっと効果的な学習が、外で遊ぶことかもしれません。なるほど、外の世界で刺激を受けることは、脳の活性化という点において、とてもとても大切なような気がします。



2.ピアノを5年間やらせた


1に準ずるところがあるような気がします。数学オリンピックで活躍する人にピアノをやっていた人は多いですし、ピアノを弾く際に使う脳は空間把握で使う脳と同じ部分だと聞いたことがあります。


私なんかは、超左脳人間で、右脳は全く存在しないといっても過言ではないほと、音楽や絵画が全然ダメですが…、左脳だけでなく右脳を鍛えることも、学力につながるのかな、と感じました。


芸術、というのも、決してバカにできないのかもしれません。

(こんなことに今気がついたのは、ちょっとバカだったかも…)


右脳を取り外しても、左脳があれば人は生きていけます。逆は、どうも無理なようです。


しかし、右脳は数学力に大いに関係があるのかもしれません。



3.面白そうな塾を選んで行かせた


小学校3年生のころ、理科や算数に興味を持っていたので、地元の小さな塾に行かせた、とのことです。


でも、お母様の話によると、決して親主導で塾に行かせたわけではなく、むしろお子さんが生きたそうにしていたときに、塾を探したとのことです。


実際、途中で行きたくないと言った塾は、さっとやめたようです。


基本的にお子さん主導で塾は行かせ、ただ、その塾選びはお母様がしていたようです。お子さんのために環境を用意すること、これってとても大切なことだと思います。


ちなみに、当塾を選んでいただいて、それはそれは本当に光栄なことです。。。



お子さんが学びたいように、環境を用意して誘導してあげる、これが親の教育法の基本かもしれません。


無理強いは何も生まないでしょう。経済学者の飯田経夫先生も、「およそ人は命令では動かない」という経済学のエッセンスたる言葉を残していますが、これは、大人よりも子どもに当てはまる気がします。



「勉強しろ」という命令では子どもは決して動きません。


むしろ、やる気が後退し逆効果です。


そうじゃなくて…、子どもが好きなものは飽きるまでとことんやらせる、子どもの知的好奇心を引くよう、環境を用意する、そんなことが大切なのかなぁ、という気がしました。


子どもは放任し…、ただ子どもが何をしているのかをきちんと把握し(把握していれば、放ったらかしではない)、人に迷惑をかけたりすることでなければ、何に熱中しようと、とことんやらせるのが良いのかも知れません。



さて、話はかわりまして。



実は、ここ最近、私はどうしたら数学オリンピックに塾生を送ることができるのか、考えていたのですが、上の話は役立った気がしました。



それは、


子ども主体で教育すること、決して強制や無理強いをしないこと

子どもの好奇心を伸ばすこと、ひとつのことをとことん考え、考えることが楽しいと思えること、



こういうことが大切なのかなぁ、という気がしました。


もしかしたら、教育において、最も大切にしなければならない精神かもしれません。





数学オリンピックであれ、東大理3であれ、そのほか何であれ…



誰だって何か一つにこだわりとか好奇心や興味があるのだから、


そこから学問の世界へ入っていくとよい、と思うのです。



とてもとても狭い一つの学問的世界への入り口が見つかったら、


ほんのちっぽけなきっかけだとしても…



すごい可能性が開かれそうで、それは素晴らしい知的好奇心の開放になると思います。


かのアインシュタインも、5歳のころに父からもらった「方位磁石」から、全てが始まっています。そして、アインシュタインは、学校の成績は悪く、特に語学では堕ちこぼれていました。



そんなわけで…、


やはり、はじめに「勉強しろ」ではなく、


子どもの好奇心を決して親がつぶさないようにし、


そして、その上で環境を整えてあげること、



これが大切なのでしょう。


好奇心さえあれば、子どもは勝手に勉強しますし、それは勉強というよりもむしろ遊びに近い、将来社会に還元することのできる技術を、遊びながらに身につけることとなると思います。



すみません、駄文をだらだらと書きましたが…


ブログなので、とりとめもなく思いつくままに書いてしまいました。