今日は加法定理について英語科の某先生が「あれって、証明にトレミーの定理を使うから覚えやすい」といっていました。

僕が知っているのは、2点間の距離の公式と余弦定理(ベクトルを使っても同じ)をつかう証明だけなので、

何を勘違いしているのかと思って黒板でやってもらったら、

本当にトレミーの定理を使っても証明ができていました。


直径1の円に内接する四角形ABCDにおいて、
BDを直径、∠ABD=α、∠CBD=βとすると確かにできます。


驚いたので、書いてみました。

気になるひとはやってみてください。
(注:下に簡単な証明を書いておきます)


ちなみに99年の東大の入試問題では

(1)でサイン、コサインの定義を答えさせ、(2)で(1)の定義を用いて加法定理を証明させる
問題を出題しています。





(注)トレミーの定理を用いた加法定理の略証。

 三角形ABCで正弦定理よりAC/sin(α+β)=1 
ゆえにAC=sin(α+β) 
 また、BD(直径)における円周角より、∠A=∠C=90°

三角形BADはBD=1を斜辺とする直角三角形なのでAB=cosα、AD=sinα

同様にして直角三角形BCDよりBC=cosβ、CD=sinβ

 あとはトレミーの定理
  AB・CD+AD・BC=AC・BD

に各辺と対角線の長さを代入してsinの加法定理が出来上がり。

sinの公式ができれば、あとはsin(90°-θ)=cosθの性質からcosの加法定理を導けます。