まずは、この記事を。


邦人青年1000人の万博招待延期=尖閣問題、日中交流事業にも影響


ソース:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010092000136&rel=y&g=int


 【上海時事】中国の温家宝首相による上海万博招待を受け、21日から予定されていた日本の大学生ら約1000人の上海訪問について、中国側が受け入れを延期すると日本側に伝えたことが20日分かった。


 日本の外務省によると、中国の受け入れ団体が19日夜、北京の日本大使館に対し「現在の雰囲気でこのような友好交流事業を実施することはふさわしくない」と延期を通告した。尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で起きた日本の巡視船と中国漁船の衝突事件への直接的な言及はなかったものの、中国政府は同日夜、中国人船長の拘置延長に抗議し、日中間の閣僚級以上の往来停止などを発表しており、対抗措置が両国の交流事業にも波及した形だ。


 延期通告を受け、日本政府は直ちに「訪中直前の決定は極めて不適切かつ遺憾だ」と中国側に申し入れた。 


 今回の万博招待は、5月末に訪日した温首相が 首相(当時)との首脳会談で表明。西 外務政務官を団長に大学生と各都道府県の代表が、21~24日に上海市を訪問する予定だった。渡航費や宿泊代などは中国側が負担し、中国共産党傘下の中華全国青年連合会が受け入れ窓口を務めていた。


 日中の青少年交流ではこのほか、中国側の招待で10月19日から日本の高校生ら約1000人が北京市などを訪問する予定だが、外務省によると現段階では中国側から延期通告はないという。(2010/09/20-16:24)




以上。


これは、ちょっと学生があまりにかわいそうだと思います。私自身、大学2年の時に中国留学をしているのですが、もし「現在の状況は、邦人留学生を受け入れる雰囲気ではない」などと言われていたら、相当ショックだったと思います。



この背景にあるのは領土問題なのですが、ぜひ領土問題と交流事業というのは、区別してもらいたい問題です。国際関係なんてものは、100%円満な関係なんていうのはありえるわけがなく、いかなる国との関係であれ、ある点において憎しみの関係もあれば、別の点では円満な関係もあるわけで、だから、有事であるとかよほどのことがない限り、全てを憎しみの関係に変えてしまうべきではないのです。そのくらいドライな態度は中国政府もできるはずなのですが(このあたり、おそらく、中国の国内事情が左右していると思います、歴史家・岡田英弘の言う『指桑罵槐(しそうばかい)』という奴で、中国の場合は国内事情がこのような対外的反応につながる傾向にあります。)



それに、逆に対抗措置を日本がとったとして、日本に留学を切望している中国人の受け入れを日本が断ったら…、それこそ中国人留学生がかわいそうですよね。私には、日本にどんなに来たいと思っていてもその願いがかなわなかった人を、中国でもインドでもキルギスでも見てきたので、だから、なんか余計にかわいそうだと思うのです。



政府のお偉いさんたちは、もうちょっと、子どもの夢を簡単につぶすようなことはしないでほしいですね。


それにしても、領土問題は、イヤですね。ロシア、中国、韓国、3つの国と領土問題を抱えていますが、日本はその問題を他に転嫁するような国になってもらいたくないです。