朝晩の暑さもかなり和らぎつつありますね。仕事柄、早朝に帰宅するのですが、今まで朝日が出ていた時間帯がまだ暗く、これから寒い季節に入っていくのだなぁと実感しております。


さて、今日は、英語学習法ということで、英単語の勉強について話したいと思います。


受験生であれば、この時期、もう単語帳の1冊くらい、ほぼ単語は全て覚えてしまっているのではないかと思います。我がDJでも、速読英単語の必修編・上級編をすでに終了している生徒がいます(早い人は1学期に上級編を完成しています)。


そんな「もう単語なんかほぼ覚えているから、もやらなくていいだろう」と思っている人に(実際そんな人はいないのではと思いますが)、「retrieval time (単語検索時間)」について述べたいと思います。


そのまえに、単語の意味について


retrieval n. 検索

retrieve v. 検索する

retriever n. レトリーバー(猟犬の一種)


まぁ「ゴールデンレトリーバー」とか言えば、犬、ってわけで、あれは獲物を「取ってくる」「探して持ってくる」という意味ですが、その派生語で「retrieval」は「検索」という意味です。



で、例えば、下の単語の意味はわかりますか?ちょっと考えてみてください。


contradict

compromise

reconcile

interfere

book



これらの単語の意味は下のとおりです。


矛盾する、妥協する、和解させる(調整する)、干渉する、本(予約する)



さて、ざっとこんな感じですが、全部わかりましたか?わかった人は、グッジョブです。


ところで、book の意味ですが、これは、「見た瞬間」意味がわかったと思います。「本」、ですね。あと、動詞なら「予約する」、という意味もありますが、いずれにせよ、「本」は瞬間的に意味がわかると思います。それは、


単語を見る → 日本語にする → 意味を把握する


というような、まどろっこしいプロセスを踏むことなく、おそらく0.005秒くらいで、見た瞬間に理解しているはずです。つまり、


単語を見る → 意味を把握する


というプロセスで、そのretrieval time は、0.005秒といったところでしょうか。非常に検索時間は短いのです。




さて、ちょっと難しかったかもしれませんが、reconcile の意味はいかがでしたか。


もしかしたら、「うーん、・・・なんだったかなぁ、、、   そうだ、『和解させる』って意味だ」、という感じでこの単語を知っていたら、それは単語の意味を知ってはいたので良いのですが、ただ検索時間が非常に長いのです。



単語を見る → 日本語にする → 意味を把握する


まぁ、こんなプロセスであり、どうしても真ん中の段階をひとつ通過しなくてはならない。



つまり、単語を知っている、ということにもレベルの差があって、それは検索時間にあらわれます。book というように見た瞬間に意味を引っ張ってくることが出来るものから、意味を思い出すのに時間のかかる単語、つまり「日本語にする」というプロセスが必要なものまで。


外国語を習っていて、ひとつの課題になるのは、この「単語のretrieval time を短くする」という課題があります。何かの本で読んだのですが、検索時間が5秒以上かかる単語が多いと、聞き取りは出来なくなる、そうです(私の経験上、検索時間が3秒くらいで、聞き取りは出来なくなる気がするのですが)。



だから、もし受験生で「単語を覚えた」のであれば、次は、全ての単語が book と同じスピードで処理できるまでに、見慣れる必要があるのです。



私個人にも残念ながらあるのですが、「文脈がないと単語の意味がわかりにくい」という現象があると思います。しかし、このような現象も、実は文脈がないと検索が出来ない、と言っているのと全く同じわけで、やはり、book と同じレベルでその単語を処理できてない、わけですね。


わかっている単語は、文脈によらずとも、瞬時にその意味を引っ張ってこられるものです。



長くなりましたが、

この時期、単語の意味を全て覚えている受験生のみなさん、単語の意味がわかったら、今度はその検索時間を限りなくゼロに近づけることができるよう、努力してみてください。


それでも、単語の勉強なんて、そう何時間も「決してやってはいけない」もので、せいぜい1日30分でしょう。もちろん個人差はありますが、センターまでのこり120日ほど、この時期に時間をもてあましている人はあまりいないでしょうし、他教科との兼ね合いからも考えて、せいぜい30分でしょう。



なお、検索時間を短くする努力としては、やはり耳を鍛える、ということが大きいと思います。単語を見てわかる、というのは、視覚、によるのですが、聞いてわかる、というのは、聴覚、によります。どちらも同じくらい大切で、要するに両方鍛える必要がありますが、聞く、というのは、否応なく「瞬間」的なことですよね。


まぁ、いつも言っているように、速読英単語は単語帳ではなく、リスニング教材だと思って利用してください。それで、検索時間は飛躍的に上がるものです。


さて、次回はipodの使用方法について、述べてみたいと思います。