講師として、テストの採点は大切な仕事なのですが、時々、この仕事を生徒にやらせたい、と思うことがあります。それは、決して仕事を任せるといった意味ではなく、教育的効果を考えてのことです。
つまり、採点する、多くの答案を見る、ということは、非常に多くのことを学ぶ、ということでもあるのです。特に数学などは、多くの別解を見るわけで、有効ではないでしょうか。
実際に生徒に採点をやらせるかどうか、は別として、テスト後の概評には、多くの別解を示していきたいと思います。
さて、テストの採点をしていて、一番嫌なこと、それは、「字が汚い答案」の採点です。
これは、本当、困りますね。。。
これこそ、生徒に採点を任せて、「字が汚い答案」がいかに採点者にとってイヤなものか、をわかってほしいなぁ、と思います。
受験の際に採点者は何百枚も採点をします。はっきり言って、かなり疲れます。やってみたらわかるのですが・・・
そんな極度に目が疲れているときに字が読みにくい答案を読むと・・・
どうなるか、と言えば、やはり採点者も人間ですから、気分が悪くなるわけです。そうすると・・・、マルよりもバツをつけやすくなるのが人情です。
例えば大手予備校の模試、あの採点をどうやってるのかはよくわからないのですが、英作文の問題の採点は、何十人くらいかで手分けしてやっていると思われます。
その際、大まかな採点基準は統一するのでしょうが、完全に採点基準を統一することはできず(それは別の人とだけでなく、自分の中でも結構難しい)、その採点者の裁量(自分の判断、という意味)に任されるところが、おそらく大きいはずです。
そうすると、仮に全く同じ英作文を作ったとしても、キレイに字を書いた答案Aを甲さんが採点した場合、汚い字で書いた答案Bを乙さんが採点した場合、おそらく前者の方がスコアが上ではないか、と思われます。
信じられないかもしれませんが、何十万人も受験する英作文の問題で、全く同じ採点を2度することは絶対に不可能です。2回目をやれば、1回目とは別の採点になることは間違いありません。つまり、採点というのは、かなり採点者の裁量によるところが大きいのです。
ですから、字をキレイに書く、というのは、非常に大切なことなのです。統計がないので絶対にわからないのですが、字をキレイに書かなかったために不合格になった受験生は、かつてかなりいたのではないか、と思われます。
答案はラブレター、くらいに思って仕上げてください。
読んでもらえる答案を書いてください。
これは、本当に本当に大切なことなのです。