お母様!

いよいよ私達女性も、学徒看護隊として出動出来ますことを、心から喜んで居ります。

お母様も喜んで下さい。

お母様は女の子を手離して、御心配なさる事でございませうけど、決して御心配はなさいますな。

散る時には、立派な桜花となつて散つて行きます。

その時は、家の子は、「偉かつた」とほめて下さいね。

お母様!

空襲時はよく御用心下さいね。

そして善ちやんと弘ちやんを良く守つて下さいませ。

決して私の御用心はなさいません様にして下さい。

ネルはお母様のものか、善ちやんのものを作つて着せて下さい。

波の上宮のお守りを入れて置きますから、善ちやん出動の際には、お母様の髪の毛と共に、弘ちやんにお守り袋を作つて貰つて、善ちやんにやつて下さい。

なるべく自分でやる心算でしたけど、到底忙しくて出来ませんから、弘ちやんに作つてもらひます。

お母様!

今まで口ごへばかりして来てすみませんでした。

これからは、きつと立派な一人前の看護婦になつて、お國の為に働きます。

お母様!

御身体を無理なさらぬ様に、又善ちやん弘ちやんを怒らずに、朗らかに暮らして下さい。

大島兵曹、信一兄さんによろしくおつしやつて下さいませ。

かしこ

美枝

最後に一家の御健康をお祈りいたします。

白梅部隊員

大嶺 美枝

沖縄県立第二高女四年

昭和二十年六月九日

沖縄高嶺村にて戦死

沖縄県島尻郡小禄村出身

十七歳