父母上様

今度の戦は天下分け目の戦いで、勝つか負けるかの、非常に至つたのであります。

國家の危機にはせつけるのが、我等青少年であります。

醜の御楯として出でたつ外に、男子の本懐がありませうか。

自分の体は、自分のではない。

陛下の赤子であります。

生を皇國日本に得て、國のために身を捨てるのは惜まない。

それが当然であります。

自分の心に思ひ残すことはありません。

自分は常に必勝の信念を持して、國のために散つてゆくのであります。

戦ひは必ず勝ち、攻むれば必ず取る。

父母上様よ、大日本が神國であることを念頭において、大事に当つて下さい。

さやうなら

陸軍上等兵

沖泊 良謙

第五砲兵司令部

昭和二十年五月四日

沖縄県首里市にて戦死

沖縄県立第一中学校三年生

沖縄県北谷村出身

十七歳