本日 命に依り愈々〇〇に出発す

征途につくに際して訣別の寸楮を送ります。

一、応召以来 國家に捧げた此の身体故必ず女々しき思料を致されぬこと

二、御身は常に身重なる事を自覚致し 自愛専一に心がけ 出産の曉は國家に対して立派なる奉公出来得る人間に成る様養育のこと

三、私の心がけ悪き為 経済的に心配を掛けるが 出来得る限り自己で致して成可町会又は軍事援護の御厄介にならざること

以上の事項を厳守致され 皆々様に御迷惑かける事なく可愛がられてお暮らしを前線より祈ります

尚 お前と夫婦に成りて三年間 自分に対して良き妻として仕へて呉れた事を感謝致して居ります

自分はお前に対して余り良き良人では無かったかも知れないが 三年間誠意を以てお前と暮して来た心算です

何れ生命ある限り戦線より便りを致しますが呉れぐれも身体を大切に致し 両親に孝養致して皆様方に良く仕へて暮す様

自分も病気で倒れる事のない様注意致して一意御奉公致す心算です

陸軍伍長

清水 留吉

昭和十九年十一月ニ十日

ニューギニア島ウエワクにて戦病死

大阪府出身

三十一歳