(妻への便り)

元気で居る。

おばあさんの面倒を良く見て呉れ。

今迄良くやつて呉れた。

お礼を云ふ。

体に気を付けて、ぽつぽつ仕事中をして居てくれ。

正恭さんも、同じ隊で一緒に行く事に成つて居る。

二日目に行会つた。

何時になるかは分からない。

面会も出来ないかも知れない。

では左様なら。

(我子への遺書)

護國の為、又、お前達を守る為に父は戦争に行く。

勿論生きて帰るとは思わない。

父無きとて、必ず素直に、そして丈夫に、大きく成つて鈴木の家を継いで呉れ。

そして、一人の母は、お前を育てる為に、長い間、大変苦労して居たのだ。

十分に孝行して呉れ。

昭和十九年五月二日

我子に

父、泰治 (印)

陸軍兵長

鈴木 泰治

昭和十九年七月十八日

マリアナ方面にて戦死

愛知県出身

二十六歳