僕はもう、お母さんの顔を見られなくなるかも知れない。

お母さん、良く顔を見せて下さい。

しかし、僕は何んにも「カタミ」を残したくないんです。

十年も二十年も過ぎてから「カタミ」を見てお母さんを泣かせるからです。

お母さん、僕が郡山を去る日、自分の家の上空を飛びます。

それが僕の別れのあいさつです。

海軍少尉

茂木 三郎

神風特別攻撃隊第五神剣隊

昭和二十年五月四日

沖縄周辺にて特攻戦死

予科練乙飛第十八期生

福島出身

十九歳