ダイビングのガイドは、

大なり小なりエゴイストである。


ゆっくり景色を楽しみたいゲストに、

ガイドの好みでマクロ生物ばかりを

見せたりする事もある。

実は、これは私も耳が痛かったりする。。。


お魚を色々紹介してほしいのに、

ただ泳いで終わってしまう事もある。


ゲストの希望・要望を100%聞くのは

確かに無理であろうが、

ガイドとして、努力したいと思う。


まぁ、海況や、ゲストのスキルレベル云々で

難しい事も多々ある。

ダイビングガイドは、常に考え、悩んでいるものである。


少し話は逸れるが、

バリ島の乾季は、マンボウ狙いのダイバーでごった返す。

このマンボウを狙うダイブポイントは

カレントが発生しやすく、おまけに水温は20度前後になる。

更におまけに、深い。

危険要素は大きい。

しかし、やはり多くのダイバーがマンボウを見たいと言う。


大物を見たい気持ちは大いに理解できる。

特にマンボウを狙って見れるのは、

世界中でバリ島だけだろうから、余計である。

それなりに経験・スキルのあるダイバーなら

楽しんでもらえるが、

経験もスキルも乏しい場合、

「しんどい」「怖い」で終わってしまうケースが実際にある。


ゲストを連れて行く以上、ガイドは先ず、

絶対に安全潜水を心がけ、実行しなければならない。

大物にしても、レアモノにしても、

ゲストから「見たい!」とリクエストがあったら、

無論努力はするが、

自然に絶対はご無体である。


少々愚痴になるが、

「バックロールエントリーをしたことが無い」

「ロープを使わず、フリー潜降出来ない」

あげく「自分のフィンを、自分の手で履いた事が無い」等々、

このようなダイバーも、マンボウを熱望するが、これは辛い。

ガイドとしても大変だし、

なによりゲスト本人がしんどいダイビングをすることになる。


“安全”と、“リクエストに応える”の境界線は、

時として曖昧になる。

見せようとするガイドの姿勢は大事である思う。

しかし、時として危険な時もあるのではないだろうか。


例えば、私の体験談であるが、

マンボウ待ちをしたが、現れず、

安全停止に入ったとき、

ガイドがマンボウを発見してしまう。

その時、そのガイドは見せたい一心で

ゲストにマンボウ発見を知らせてしまう。

マンボウに興奮したゲスト達は、

ものすげぇ速度で20mオーバーまで再潜降してゆく。


ガイドの気持ちとしては、よくわかるのだが、

やはり、危険な行為であると、私は思う。


安全停止中といえば、5m前後まで浮上していて、

そこから20m以上も再潜降している。

残圧が50psiになっているゲストもいたかもしれない。

エア切れ、減圧症等、こういった事が考えられる。


スキューバダイビングというスポーツが

いったいどういうスポーツであるのか、

この機会に、もう一度考えさせられた。


「大波に飛び込んで、荒れ狂う流れに逆らい、

すげぇアドベンチャーをするのがダイビングだ!

わ~っはっはっはっは!」

という人がいたら、

少し、考えを改めてもらえたらと思う。


答えは賛否両論、バラけるとは思うが、

基本、ダイビングは大自然を相手にしたスポーツである。

アドベンチャーを求めることは間違いではないが、

度が過ぎると、痛い目を見る。


人間が自然に勝ることなど無い。

感謝こそすれ、逆らって良かった例などないであろう。

海況だって、いつも一定ではないのである。


・なぜスキューバダイビングは講習を受けないといけない

 カードスポーツなのか。

・なぜ安全と危険を講習されるのか。

・なぜルールがあるのか。

                  等々・・・


レジャーである“楽しい”ダイビングをするために、

ダイバー個人個人が、こういった事を認識しなければ

いけない。



               ダイビング人 長谷川和弘