小さいうちは「手のかかる」育児

 

幼稚園や小学校の頃は、療育の先生や主治医から、

 

「苦手なことを無理にさせないで、環境を整える」

 

ということをよくアドバイスされました。

 

 

 

問題行動があったり、酷く苦手なことがあって、

 

「○○で困っているんです。」と相談すると、

 

 

●本人が困ることであれば、サポートできるように周囲が動く。

 

●成長を待てば解決することなら、周囲とトラブルにならないように調整をしたうえで見守る。

 

●苦手なことでひどく叱られたり、大失敗をしないように根回しをする。

 

 

基本的にこのような方向性のアドバイスが多かった気がします。

 

言うなれば、「本人のためになるように、大人が動く。」

 

 

 

私は、「療育で本人を直していくんじゃないのか…」

 

と、拍子抜けすることが多かったです。

 

 

手間もかかるし、子供の様子をよく見ながら、必要なサポートをしていかなければならないので大変でした。

 

ですが、アドバイス通りにした方が、子供も調子が悪くならず、結果的には保護者も生活しやすかったので、それで良かったのかなと思います。

 

 

 

 

  「手のかかる」育児から「手を出さない」育児へ

 

 

小学生までは、このように「手のかかる子育て」をしていたわけですが、

 

中学校入学前後あたりから、療育の先生や主治医のアドバイスが大きく変わりました。

 

 

●とにかく口うるさく言わない。

 

●失敗をさせて、自分で考え、試行錯誤させる。

 

 

思春期に差し掛かった息子には、失敗に基づいて自分で試行錯誤をする経験が大切なのだそうです。

 

息子自身、成長と共に試行錯誤をする力を身に着けつつあるとも感じます。

 

 

 

しかし…

 

これまで、さんざん手をかけて育てていたので、「親の方が」切り替えることがとても難しいのです。

 

時間の使い方が下手。

 

勉強のやり方が下手。

 

物の管理や準備が壊滅的。

 

 

 

手や口を出さないと生活が回らないこともあり、ついつい口を出してしまいます。

 

「全く口を出さずにいると、生活が破綻するのでは?」

 

と思ってしまうのですが、療育の先生に言わせると、

 

「破綻してしまったら、そこから学ぶでしょう?」

 

ということなのだと思います。

 

 

 

一時的に生活がめちゃくちゃになっても、その後、自分で試行錯誤して立て直すのを待つということ?

 

学校に行かなくなったり、勉強をしなくなるのでは?という心配もあります。

 

 

 

 

 

息子は、大学から一人暮らしを公言しているので、あとほんの数年でとりあえず生活面の自立をしなければなりません。

 

「いかに口と手を出さないか。」

 

というのが、今の母の課題です。