妻の両親への報告は、病院に行く前にすでに済ませていた。
というのも、妻の友人に言われた言葉があったからである。


「夫の親は『五体満足だといいね』と願い、妻の親は『無事にお産できるように』と願うんだよ」


妊娠後一番心配するのは、当然妻の体のこと。そしてその妻のことを一番心配するのはそのご両親なのである。これは、自分が親になろうとする今だからこそ、よく分かる。



というわけで、妻側の両親への報告は産婦人科に行く前にすでに済ませ、そして僕側の両親への報告は産婦人科に行った後となったのである。


僕の両親への報告は、もともとメキシコに行ったおみやげを渡すつもりでいたので、なんだかついでの様な感じがありつつも、

 「妊娠したよ」

 「あら~おめでとう!」
という至って質素な報告になった。当然、大喜びだったけど。


一方、妻の両親への報告は、妻が電話でしたのだけど、、、、えらい言われようだった…らしい。

 「あんた、子どもがお腹にいるのにダイビングなんか行ってたの?」

 「もっと体を大事にしなさい」

 「tomoさんに甘えてないで家の事もちゃんとやりなさいよ」


「おめでとう」と言われたあとに、その10倍以上ものお説教の言葉を頂戴したのだった。