デハジメ
初めてヒトリタビに出たのはウズベキスタン。
「青の都」と呼ばれるサマルカンドがある。
とにかくモスクが見たかった。青いモスクが見たかった。
タシュケントの空港に着いたのは夜。
薄暗い構内を歩き、ほの暗いだいだい色の灯りに導かれて出口にたどり着く。
このとき俺は「ここで死んでも好きでやってることだしな」なんて、
今思うと大げさに、でも本気で思っていた。
うじゃうじゃ湧いてくるような客引きの中から、彼を選んで走り出す。
ホテルに着いたあと街の酒場に繰り出す。
彼は運転しているからと酒を飲まない。
結構まじめなヤツだった。
タシケントの地下鉄では噂どおり悪徳警察官が暗躍。
制服も着ずに外国人を片っ端から捕まえる。
お菓子のハコまで開けられた。食べるかというと食べなかった。
死にそうな暑さの中、乗り合いバスでサマルカンドに着いた。
学生たちに「英語もまともにしゃべれないのに良くこのバス乗れたな」
サマルカンドで泊まったホテルからは青い聖廟が望めて幸せだ。
毎日、グル‐エミール廟に行ってボーっとする。
子供達の遊んでいるのをみたり、廟を管理しているおっさんと話したり。
そのあとブハラ、ヒヴァと行き、それなりに観光したけど、
実はサマルカンドからの日帰りシャフリサブス行きで「湧き水」を
飲んでしまい、完全に腹を壊していた。史上最悪の下痢。
体力ばかり奪われた。
正露丸なんて効きやしない。
結局帰国しても治らず、抗菌薬を飲んでみたらあっという間にとまった。
そして不思議なことにそれ以来一度もあたっていない。