楽器屋 | 雨ニモ負ケテ風ニモ負ケル

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でも晴れた日には歩きたい

近所にオリジナル楽器を売っている楽器屋がある。
ちょっと入りにくい雰囲気なんだけど、
年末にふとひやかしに入ってみた。

どんな楽器があるかというと、
メロンやアタックの箱をくりぬいて弦をはったような楽器とか、
ギターと琵琶の真ん中みたいな楽器とか。

店長にこれはどんな楽器なんですか?
と聴けば店長が喜んで実際に演奏してくれる。
「祇園精舎の鐘の声~」
なんていいながらエレキギタ琵琶みたいな楽器を
ギャインギャイン奏でてくれる。
琵琶法師の語りなんて聞いたことないけど、
不思議とそれっぽいのだ。
それっぽいとしか言えないけど、それっぽいのだ。
ケヴィン・シールズあたりに聞かせたら発狂するんじゃないかな。

琵琶の尻にグルグルまわす取っ手みたいの
をつけた楽器について尋ねたら
「これは君が死んだときに使うんだよ。」
といってそれをグルグルまわしながら見事なお経を読んでくれた。
おなかにオルゴールみたいなのが入っていて弦をはじくらしい。
おまけに木魚と鐘もついてる。
それも不思議と「それ」っぽくて。
普通、お経に伴奏なんてないんだけど、
とにかくお経にマッチしてるわけ。
なんだかすごい前向きに死にたくなってくるじゃないか。

その店長は還暦は越えてるであろうけっこうな歳
だったけど、目が輝いていた。
自分にとって何が価値があるか
わかっている人は幸せだと思った。