無事歌い終えました。 | DIVAKIへの日々〜ドイツ在住劇場専属オペラ歌手 辻井亜季穂の日記

DIVAKIへの日々〜ドイツ在住劇場専属オペラ歌手 辻井亜季穂の日記

DIVAを夢見て大修行!!ソプラノ辻井亜季穂の、ときどき日記!
ドイツ在住オペラ歌手の日常生活のあれこれを綴っています。
最近は、 去年の夏に経験した病気についてまとめ中。
多くの方の、ご自身の健康を考え直す機会になりますように。

愛知県立芸術大学
音楽研究科声楽専攻
平成22年度大学院修士演奏

1月25・26日 11:00~
愛知県立芸術大学 奏楽堂にて


------------------------------------------------

30分のプログラム。

自分のレパートリーとはなんぞや?
私は一体なにものなんだ?
自分の声とはどれなのか?

という悩みを持ち続けた大学院の2年間。
発声的にもかなり悩み、音声障害の手前まで
いつも調子を崩していました。

それらの悩みはクリアになったわけではないですが
その裏には、もっと大切なことが隠れていたように思います。

あまりに毎回ボロボロな私を
師匠はすごく心配してくださっていたと思います。
なかなかクリアできない私を見捨てずに諦めずに
いつも熱く、前向きに、温かい愛をもってご指導くださいます。
学部から数えたら・・・6年間。
師匠なくして、今の私はありません。

いい演奏?
うまく歌う?

そんな生意気なこと考えないで
感謝の思いを伝えればいい。
どうしてここに立っているのか?
それを考えると、すべてに感謝する以外に
思い浮かぶことはありませんでした。

そう思って挑んだ30分。

一度も、つまずかずに歌えたことのなかったプログラムでしたが
修士演奏のこの日だけは、歌うことができました。
それはそれは、テクニック的な問題点はいくつもあったし
改善しなければならない点も、反省点ももちろんあります。
でも、信じられないほど、
すべて心から何かが出て行くかのように
歌うことができました。
今までにない感覚でした。

大切なことを忘れていた。
だから、つまずいていたのかもしれませんね。

心も、体も共に成長しないことには
バランスを崩してしまいます。
そのことがよくわかった大学院の2年でした。

会場までお越しくださった皆様
遠くから応援してくださった皆様
ありがとうございました。

先生、さっこ先輩、お母さん。
心配、迷惑をたくさんおかけしました。
これからもかけるかも・・・(笑)しれませんが、
どうぞよろしくお願いいたします。

感謝。

Akiho