朝の空気は、思っていた以上に冷たかったです。
まだ陽が上がりきらない時間、 三重交通Gスポーツの杜伊勢 の陸上競技場に立つと、吐く息が白くほどけていきました。
11月24日。
この日は伊勢でノルディックウォーキングのイベントでした。
スタッフは6時半集合。まだ静かな朝の競技場で準備を進めます。
参加者の皆さんが集まり始めたのは8時。
そして8時半、いよいよスタートです。
今回のルートは、おはらい町通り を抜け、 宇治橋 の大鳥居前へ。
そこから 五十鈴川 沿いを歩き、再び競技場へ戻るコースでした。
観光地の伊勢なので、観光客が動き始める前に歩こうと思っていたのですが、伊勢の朝は思っていたより早い。
すでに参拝客や散歩を楽しむ人たちで、街はゆっくりと動き始めていました。
ポールを突きながら、その中を歩いていきます。
観光で訪れる伊勢は、目的がはっきりしています。
お店に寄ったり、食べ歩きをしたり、神宮に参拝したり。
でもこの日は違いました。
目的は、ただ歩くこと。
だからでしょうか。
歩いていると自然と会話が弾みます。景色のこと、身体のこと、今日の空気のこと。取り留めのない会話が、歩くリズムに合わせて続いていきました。
宇治橋の前に着く頃には、紅葉がちょうど見頃。
赤や黄色の葉が、朝の光の中でやわらかく揺れていました。
伊勢には何度も訪れていますが、秋の伊勢を見るのは今回が初めてでした。同じ場所でも、季節が変わるだけで印象はずいぶん変わります。
そこからは五十鈴川沿いをゆっくり歩きます。
観光ではあまり選ばない道ですが、水の流れの音が近く、ポールの音と足音だけが静かに響きます。
歩くことが目的だからこそ見える景色が、確かにありました。
お店にも寄らない。
神宮にも立ち寄らない。
それでも伊勢らしさは十分に感じられます。街に漂うどこかレトロな空気や、人のやわらかな距離感。歩きながら、そんな空気を何度も感じました。
12時半、再び 三重交通Gスポーツの杜伊勢 に戻りイベントは終了。朝の寒さが嘘のように、昼は長袖一枚でちょうどいい暖かさでした。
効率よく名所を巡る旅も楽しいですが、こうして身体を動かしながら景色と対話するような時間には、また別の豊かさがあります。
情報を集める旅ではなく、余白を受け取る旅。
伊勢は、そんな歩き方も静かに受け入れてくれる場所でした。
note
この記事で書いたような、旅やまちの中で感じたこと、観光やホスピタリティについて考えたことは、noteでも少しずつ整理して書いています。
無理に答えを出すのではなく、一緒に考えるための視点を残す場所です。
もしよければ、のぞいてみてください。
▶︎ note「まちと旅を考えるノート」






