第五章
~利用~(後編)
ヒエムス地方
テロンはスタロスの谷で冒険者とコーダルが戦っているのを目撃。
恐らくコーダルはイルーナから来た冒険者を憎んでいるのだろう。それに冒険者の場合、同胞であるミネロとカガンを倒している。尚更コーダルの怒りも収まらないだろう。
戦闘の一部始終を見終え、冒険者はコーダルとほぼ互角の戦闘力のだと分かった。ここで闇の結晶は一つ案が浮かび上がる。
もう一度二人が戦いをして、コーダルが弱った所を見計らい、自分で止めを刺す事も出来るのではないかと。
どの道ゲートキーパーを横取りするにはコーダルに消えて貰わなければならないからである。
このディーオス集落の人柱は老人のマルチ。この老人は何故コーダルに嘘の情報を流したのか気になるが、今更気にする事はない。
マルチは蒼氷の城セラスマパティで籠城するはず。
しかし冒険者がそこに行こうにもマルチが結界を張っている為に入ることは出来ないだろう。
その為テロンはまた行動を起こす事とする。
だが何度も不自然に話しかければ冒険者にも怪しまれるだろう。
そこでここではモンスターに追われるように芝居し冒険者の元に駆け寄る作戦を取った。闇の結晶の力を使えばその辺のモンスターなど操ることは容易い事。
冒険者にモンスターを倒させ、その流れでお礼に結界の解消の仕方を教えると言うもの。
これで冒険者はマルチの元へ行くことが出来る。
既にイルーナの人柱のディエットもマルチの元にいる為すぐに竜となり、回収する事ができた。
最後の人柱はリオクトブのアニスとシオンだった。イルーナの人柱は神の子クノン。
この二人のうち竜となれるのはアニスだった。
まずはアニス。ミラの実験場で装置に細工を仕掛け、工場内を爆発させる。
これでまずは冒険者を深淵へおびき寄せる。
あとはミラが土人形フィンブルに命令し冒険者に力ずくで自分の理想論を教え込むと予想。
実は何気ないこの作業が人柱獲得の鍵なのである。
土人形よりも冒険者が強い事など考えなくとも分かること。問題は土人形が壊れミラが倒れている事を子供のアニスが目撃したらどのような反応を起こすかである。そう。これを冒険者に敵意を向かせる切欠にしたのである。
案の定、アニスは怒り、クノンの手を掴み竜となった。
冒険者は竜になったアニスを倒し
こうして人柱7つと8つ目の片割れをロニオ神殿へ捧げる事が出来た。
アニスを捧げたその後シオンが冒険者へ駆け寄った。
コーダルも現れ
シオンはコーダルに連れ去られる。
いや、正確にはコーダルはシオンを傍に置き、冒険者から守るつもりだ。そのままロニオ神殿へと消えて行った。最後の人柱が厄介な人間の手に回ってしまい、テロンも頭を抱えてしまった。
だがこちらには冒険者がついている。彼もコーダルを追う為に手がかりが欲しいに違いない。
なので冒険者にはロニオ神殿へ向かう為、カガンの連れていたティフォの力を借りるのが良いかと提案。
その話に乗った冒険者はマイオスへ向かった。
これで恐らく冒険者も空に浮かぶロニオ神殿へ向かう事が出来るだろう。
となればテロンもそろそろ総仕上げに動かなければならない。

