主な収録筐体
ボルテ


主人公

少女(高校生くらい)


作者評価
★★★★◆

作者コメント
こわい…。暗いのがこわい…。
黒がこわい…。ここは一体何処なの…?


読者、J様よりこの曲に対するイメージとアイデア
を頂きましたのでそれを元に再度書かせて頂きました。









BLACKorWHITE? ~生きし死せる者~( DIT wrote an idea of J


生ける者は何を願う。
巨める富か。
永遠の光か。
死への克服か。

死せる者は何を想う。
己の再起か。
束縛への解放か。
生者への嫉妬か。

生きし死せる者は何を求む?



今、生きし死せる者、闇を彷徨う。







ここは真っ暗で何も見えない。
どんなに見渡しても黒ばかり。


そんな中私は光を探し続けた。

この暗闇は一体どこまで続くの?

光の一欠片も見当たらないこんな所もう嫌…。

光がほしい…。暗いのが恐い…。


でも探せばきっと光はどこかにあるはず…。自分にそう言い聞かせた。

こんな所で怯えていても何も変わらない。
だから私は諦めず光を求めて暗闇の中を歩く。

この闇の中いつ何が起こるか分からない。
暗闇からの恐怖で私の心臓は強く脈動しそれが全身に響き渡るのを感じた。

恐怖のあまり心臓が張り裂けそうなほど高鳴りを上げ限界が近付いた
その時、

横からほんの少しだけ明るさを感じた。
ぼんやりとした明かり。
「光?ここに光があるの?」

私はそれに吸い寄せられるかのようにそちらに向かっていった。

この先に光がある…。

きっとそうだ。この暗闇の世界の出口だろう。

頭の中で色んな思考が過る…。


だが歩き続けたその先
途端に身体が転がり落ちた。
そこには足場が無かったのである。

光へ続く道。それは途中から急な坂となっており私は足を踏み外して坂の下まで落ちてしまった。

更にその坂は不自然に角張っていたらしくその為に落ちた衝撃で全身に痛みが走る。


「痛い…。なんなの…?これ…。」


先ほどのぼんやりとした光はもう見当たらない。

この暗闇からの恐怖、不快感、先ほどの痛み。
様々な負の感情が混合し少女に怒りが募り出す。

「そもそも何で私がこんな目に遇わなければならないの?
私が何か悪い事した!?してないでしょ!?
早く帰してよ!家に帰してよ!」



しかし少女はこの暗闇の中一体誰に怒りの矛先を向ければ良いのか分からない。

こんな所で騒ぎ立てても何も変わらない。少女は仕方なく立ち上がりまた歩き始めた。
しかし坂から落ちてから進んでいた方向、右も左も分からない。

それでも少女は動かなければならなかった。
この方向で正しいのか、間違っているのか。それも分からずに。



坂から落ちてしまったが下にも同じように道が続いてるようだ。


私は全身の痛みを堪え前にある道を進んだ。






するとまた少しだけ明るい場所が見えた。

私はそれを見逃さなかった。この方向に光がある…!
もう絶対に逃がさない。

その光はさっきよりも強く輝いていた。


でもまた坂があるかもしれない。私は慎重に慎重に歩き寄った。

今度は急な坂もなく順調に光の方へ近付いていく。
近づくにつれその光の輝きは増していった。


光に向かって歩いていくと足が何かかたい物にぶつかった。

壁?いや違う。これはただの塀だった。
この塀の向こう側で光が強く輝いている。それは確かな事実。光は逃げる様子はない。この光は私を待ってくれている。


こんな腰程の高さぐらいの塀なんか乗り越えてやる。
光はもうすぐそこなんだからあともう一息頑張らないと。

私は両手を塀に付き身を乗り出した。そのまま光側に右足を乗りだす。

光側の方は何だかとても寒く感じる。

さっきから心臓の高鳴りが五月蝿いぐらいに体全身に響き続ける。

続いて左足も塀の外側に運んだ。
ようやくこの暗闇から解放される。そう思いながら塀から手を離し光に向かって足を踏み入れた。


するとその瞬間体が落下していくかのような感覚を覚えた。

だがそれは一瞬の出来事。

途端に頭を何か硬いもので撲られたような激痛が走った。

それからは覚えていない…。



そして今、気がついた時私はここにいた。ここと言っても暗闇の中なのだが先程の光はもう見当たらない。

また振り出しに戻ってしまった。そう思ったがここはさっきまでいた場所と何かが違う。


今私はここに立っている。立っているはず…。
なのに何故立っている感覚が無いのだろう?

先程まで恐怖と光を追っていた時の激しかった心臓は?
今はピタリと止まっている。
ピタリと。

少女はここまで来てようやく今の状況に気付いた。
しかしもう遅すぎた。


「どうして…?どうして!?どうしてよ!こんなに頑張ったのに!
私は光がほしい!光が見たい!家に帰してほしい!それだけなのに!…ただそれだけなのに…。」

少女の目から冷たい涙が溢れそれらがこぼれ落ちた。

────
生きし死せる者光を求む。

貪欲に光を求めた其の心は

己を滅ぼす糧となる。

貪欲に希望を求めた其の先で

虚無の世界に涙する。
────


「助けて…。誰か…誰でも良いから…。お願い…。光がほしい…。光を見せて…。
こんな所…。こんな所…。」


また少女の中で沢山の負の感情が募り出す。

「こんな所もうイヤ━━━━━━━!」

少女の叫び声はこの闇の世界の遥か遠くまで響き渡った。
まるで断末魔かの様に。

しかしいくら泣こうと喚こうと
その声は誰にも聞こえない…。





今朝この病院の敷地内で一人の少女の遺体が発見された。
少女は事故により失明し入院していた患者だった。

死因は窓からの飛び降り自殺。









もうひとつの黒白閲覧ありがとうございます。そして書かせて頂いてありがとうございます。

うむ、確かにこっちの方が前作の戦争よりも世界観がしっくり来ますね~(笑)

前作は黒と白という名詞と曲を意識した話となりましたが今回はジャケットと曲を意識しました。
やはりこの曲は主人公が報われませんね(笑)


さて本編が終了したので明るい所で解説
意識を取り戻した少女
失明した少女は夜の病院で光を探していました。
踊り場で窓の外から見える月明かりに気付きそちらに向かって行きます。そのまま歩いていると階段から落ちてしまいます。 

その後は下の階で光を探し始めました。
するとまた窓の外で今度は外灯の光に反応。
通路の窓なので階段はありません。
光に近付こうと窓から身を乗りだしそのまま転落死する。

「死因は窓からの飛び降り自殺」しかし何故自室の窓からではなく遠く離れた窓から飛び下りたのか謎に包まれていた。


書いてて結構楽しめました。ありがとうございます。