主な収録筐体
リフレク、ポップン、弐寺、指
作者評価
★★★★☆
主人公
俺
作者コメント
そこに待ち構えるあいつがいた。
そう。valangaだ。
これは頂上にまだ誰も登れた事のなかった時の話。
頂上に辿り着けなかった俺達登山家のvalangaのもうひとつの物語。

そいつは静かに挑戦者を待ち続けている。
その場から決して動かず、逃げも隠れもしない。
堂々と。ずっしりと
あいつは俺からすれば偉大な存在だ。
その反面美しい姿を見せる。
朝日が登る時だ、そいつの頭の天辺と太陽が重なり合い、
神秘的な美しい姿を見せる。
その姿は登山家達に絶大的に人気を誇る。
頂上からの景色は更に素晴らしいに違いない。
俺が思うにそれを見たものはこの世界で一番の自由を手に入れた者だろう。それ程の事だ。
そして命知らず達がそいつに挑んだって訳だ。
だが頂上にたどり着いた者はまだ誰も居やしねぇ。
挑んだ奴等はそっくりそのまま呑み込まれた。
挑戦者を呑み込み続けたそいつはいの間にやらValangaと呼ばれた。おっかねぇバケモンだ。
俺の仲間もそいつに挑んだ。
生きて帰ってきたが右脚と右腕の骨をやられちまった。
仲間がこんなにされたんだ。
今度は俺が挑まなくてはならない。
「お前の、仇を討ってやる。
この旗を、あいつの頭にブッ差してやらぁ!!」
そう言い残して今に至る。
勿論に止められた。
だがな、男には挑まなくてはならない時が有るんだ。
それは仲間が怪我を負った時だ。
今Valangaは俺の目の前に立ちはだかっている。
ずっしりと静かにあいつは構える。
こんなにでけぇのか。
挑発的な態度とりやがって…。
覚悟しろ。俺はお前を登りきってやる!
そう言って俺は登山を開始した。
この辺はまだ人が歩いたからか微かに道になっている。
まだ普通の登山だな。
だがこれは序の口だ。
まだ始まってもいない。
山岳は一応経験豊富な方だ。だが正直俺はValangaに勝てるかは分からない。
まず俺ぐらいのやつが挑めるようなものじゃない。
そもそも上級者でさえ勝てなかった危険な山だ。五体満足で帰って来られるか、それすら保証出来ない。
運が悪いと命の保証すらねぇからな。
もしかしたら俺の今の行動はただの馬鹿なのかも知れねぇ。
自殺行為なのかも知れねぇ。
だがな…今更尻尾を巻いて逃げる訳にはいかねぇ。
この気持ちで俺は歩き続けた。
気が付くと雪が降り始める。
ふわふわと柔らかい雪を踏み
言葉を漏らす。
いよいよだな。
Valangaが動き始めた。
凍り付くような冷たい風が吹き荒れ俺を襲った。
全く遊ばれてるようだ。
気が付けば周りは白銀の世界。
白…白…白。
見渡しても見渡しても白ばかり。
七合目辺りまで登り続けた。
やつは凍える息を吹き続け俺を弄ぶ。
これが登山者への試練ってやつか?随分嘗められたもんだな。
そう言ううちに彼に新たな試練が襲い掛かる…。
――Valangaが牙を向いた。――
地が揺れたかと思うと途端に凄まじい轟音が鳴り響く。
奴が現れた。俺に襲い掛かって来やがった。
腹を空かせた白銀の悪魔が俺を呑み込もうとしているのだ。
ここは逃げるしかない。
呑み込まれたら最後だ。
喰われてたまるか。
一が罰かあの岩影に逃げ込むぞ!
少し大きな岩があったのでそれを盾にやり過ごす事を試みる。
無事逃げ込み奴を一先ず撒いた。
┣゛┣゛┣゛ト゛ト゛ドド┣゛ト゛ト゛ド┣゛ト゛
やべぇ音だな。
こいつに呑み込まれたら人たまりもねぇ。
さっきまでの柔らかな面影もねぇ。
まるで津波だ。白い津波。
Valanga…雪崩れ。
お前がValangaと言われている訳も頷けるぜ。
余裕噛ましてるのも束の間。
岩が僅かだが揺れている。
この岩も危なぇよな。
まさかこっちに倒れて来て…。
そのまさかだった。
岩が奴に負けてこちらへ倒れてきた。
俺は一目散に岩から離れて下敷きにはならなかった。
だが倒れた瞬間腹をすかせたあいつが俺に襲い掛かる。
俺は悪足掻きに逃げる。
一瞬だが足を喰われた。
ほんの一瞬。
まずい…!
たったそれだけで俺はバランスを崩し倒れた。
気が付けば体を全て呑み込まれていた。
白かった景色はあっという間に真っ暗。
体が転がされている。体を立て直せない。もうこうなりゃ最期だ。
――所詮汝もこの程度か、命までは取らん。愚かな人間よ。我から立ち去れ。――
頭の中で何かが聞こえた。地が鳴り響く様な重く、低い声。これはValangaが話かけているのか!?
ふざけるな!!
お前に挑んだやつがどんな思いで頂上目指したのか知らねぇんだろ!
俺は頭の中でそう言ってやった。
お前は…お前は…
駄目だ。段々と意識が遠のいてくる。
ふと目が覚めた。
「あ、目を覚ました!」
俺はいつの間にか病院で寝ていた。
右腕と左脚の骨がやられちまったが生きて帰ってこれたようだな。
聞いた話によると俺は雪まみれで山の麓で倒れてたんだってよ。
ああ…。結局俺はValangaに負けてしまったのか。
Valangaは今も吹雪を吹き荒らし挑戦者を待ち続けているのだとか。
でも俺にはもう関係無い事だ。
五体満足の体に戻ったとしても
あんなおっかねぇ雪崩れを見たらもう挑む気にならねぇ。
あと最後にValangaが発した言葉から推測すると
Valangaには神のような主のようなやつがいる。
頂上は人間が立ち入る事の許されない聖域なんだ。
俺はそう思った。
だがあれから月日が経ち遂にValangaに勝ったやつが現れたらしい。
俺の推測は外れたな。
あの怪物の上から見渡す景色はさぞ絶景だったんだろうな。
だがその人はValangaを制覇したにも関わらず、旗を頂上に差すことは無かったらしい。
~~
雪山閲覧ありがとうございます。
意思を持った山、valanga。何故彼は選ばれなかったのか。
そして何故前の作品のvalangaの主人公は選ばれたのか。
その謎が分ければあなたはなかなか才能がありますね(笑)
ヒントを言えばこの作品の最後の文章です。
リフレク、ポップン、弐寺、指
作者評価
★★★★☆
主人公
俺
作者コメント
そこに待ち構えるあいつがいた。
そう。valangaだ。
これは頂上にまだ誰も登れた事のなかった時の話。
頂上に辿り着けなかった俺達登山家のvalangaのもうひとつの物語。

v a l a n g a
登 山 者 へ の 試 練
その場から決して動かず、逃げも隠れもしない。
堂々と。ずっしりと
あいつは俺からすれば偉大な存在だ。
その反面美しい姿を見せる。
朝日が登る時だ、そいつの頭の天辺と太陽が重なり合い、
神秘的な美しい姿を見せる。
その姿は登山家達に絶大的に人気を誇る。
頂上からの景色は更に素晴らしいに違いない。
俺が思うにそれを見たものはこの世界で一番の自由を手に入れた者だろう。それ程の事だ。
そして命知らず達がそいつに挑んだって訳だ。
だが頂上にたどり着いた者はまだ誰も居やしねぇ。
挑んだ奴等はそっくりそのまま呑み込まれた。
挑戦者を呑み込み続けたそいつはいの間にやらValangaと呼ばれた。おっかねぇバケモンだ。
俺の仲間もそいつに挑んだ。
生きて帰ってきたが右脚と右腕の骨をやられちまった。
仲間がこんなにされたんだ。
今度は俺が挑まなくてはならない。
「お前の、仇を討ってやる。
この旗を、あいつの頭にブッ差してやらぁ!!」
そう言い残して今に至る。
勿論に止められた。
だがな、男には挑まなくてはならない時が有るんだ。
それは仲間が怪我を負った時だ。
今Valangaは俺の目の前に立ちはだかっている。
ずっしりと静かにあいつは構える。
こんなにでけぇのか。
挑発的な態度とりやがって…。
覚悟しろ。俺はお前を登りきってやる!
そう言って俺は登山を開始した。
この辺はまだ人が歩いたからか微かに道になっている。
まだ普通の登山だな。
だがこれは序の口だ。
まだ始まってもいない。
山岳は一応経験豊富な方だ。だが正直俺はValangaに勝てるかは分からない。
まず俺ぐらいのやつが挑めるようなものじゃない。
そもそも上級者でさえ勝てなかった危険な山だ。五体満足で帰って来られるか、それすら保証出来ない。
運が悪いと命の保証すらねぇからな。
もしかしたら俺の今の行動はただの馬鹿なのかも知れねぇ。
自殺行為なのかも知れねぇ。
だがな…今更尻尾を巻いて逃げる訳にはいかねぇ。
この気持ちで俺は歩き続けた。
気が付くと雪が降り始める。
ふわふわと柔らかい雪を踏み
言葉を漏らす。
いよいよだな。
Valangaが動き始めた。
凍り付くような冷たい風が吹き荒れ俺を襲った。
全く遊ばれてるようだ。
気が付けば周りは白銀の世界。
白…白…白。
見渡しても見渡しても白ばかり。
七合目辺りまで登り続けた。
やつは凍える息を吹き続け俺を弄ぶ。
これが登山者への試練ってやつか?随分嘗められたもんだな。
そう言ううちに彼に新たな試練が襲い掛かる…。
――Valangaが牙を向いた。――
地が揺れたかと思うと途端に凄まじい轟音が鳴り響く。
奴が現れた。俺に襲い掛かって来やがった。
腹を空かせた白銀の悪魔が俺を呑み込もうとしているのだ。
ここは逃げるしかない。
呑み込まれたら最後だ。
喰われてたまるか。
一が罰かあの岩影に逃げ込むぞ!
少し大きな岩があったのでそれを盾にやり過ごす事を試みる。
無事逃げ込み奴を一先ず撒いた。
┣゛┣゛┣゛ト゛ト゛ドド┣゛ト゛ト゛ド┣゛ト゛
やべぇ音だな。
こいつに呑み込まれたら人たまりもねぇ。
さっきまでの柔らかな面影もねぇ。
まるで津波だ。白い津波。
Valanga…雪崩れ。
お前がValangaと言われている訳も頷けるぜ。
余裕噛ましてるのも束の間。
岩が僅かだが揺れている。
この岩も危なぇよな。
まさかこっちに倒れて来て…。
そのまさかだった。
岩が奴に負けてこちらへ倒れてきた。
俺は一目散に岩から離れて下敷きにはならなかった。
だが倒れた瞬間腹をすかせたあいつが俺に襲い掛かる。
俺は悪足掻きに逃げる。
一瞬だが足を喰われた。
ほんの一瞬。
まずい…!
たったそれだけで俺はバランスを崩し倒れた。
気が付けば体を全て呑み込まれていた。
白かった景色はあっという間に真っ暗。
体が転がされている。体を立て直せない。もうこうなりゃ最期だ。
――所詮汝もこの程度か、命までは取らん。愚かな人間よ。我から立ち去れ。――
頭の中で何かが聞こえた。地が鳴り響く様な重く、低い声。これはValangaが話かけているのか!?
ふざけるな!!
お前に挑んだやつがどんな思いで頂上目指したのか知らねぇんだろ!
俺は頭の中でそう言ってやった。
お前は…お前は…
駄目だ。段々と意識が遠のいてくる。
ふと目が覚めた。
「あ、目を覚ました!」
俺はいつの間にか病院で寝ていた。
右腕と左脚の骨がやられちまったが生きて帰ってこれたようだな。
聞いた話によると俺は雪まみれで山の麓で倒れてたんだってよ。
ああ…。結局俺はValangaに負けてしまったのか。
Valangaは今も吹雪を吹き荒らし挑戦者を待ち続けているのだとか。
でも俺にはもう関係無い事だ。
五体満足の体に戻ったとしても
あんなおっかねぇ雪崩れを見たらもう挑む気にならねぇ。
あと最後にValangaが発した言葉から推測すると
Valangaには神のような主のようなやつがいる。
頂上は人間が立ち入る事の許されない聖域なんだ。
俺はそう思った。
だがあれから月日が経ち遂にValangaに勝ったやつが現れたらしい。
俺の推測は外れたな。
あの怪物の上から見渡す景色はさぞ絶景だったんだろうな。
だがその人はValangaを制覇したにも関わらず、旗を頂上に差すことは無かったらしい。
~~
雪山閲覧ありがとうございます。
意思を持った山、valanga。何故彼は選ばれなかったのか。
そして何故前の作品のvalangaの主人公は選ばれたのか。
その謎が分ければあなたはなかなか才能がありますね(笑)
ヒントを言えばこの作品の最後の文章です。