主な収録筐体
リフレク、ポップン、弐寺、DDR


主人公


作者評価
★★★★◆

作者コメント

人の業とは凄まじく恐ろしいもの。
決してその時の感情に押し流されてはいけない。

それは全てを滅ぼす糧となる



姫     恨

海     神

都     滅

この祠に祀わる言い伝え。


これは古い昔の話。

曾てこの地は大きな都だったという。
民も多く商業文明として栄えていたようだ。


この都を治める帝とその姫君。

帝は民を第一に考え民の為の政策をつくる。
その為帝の民からの支持は大きい。
都がここまで大きく成長したのはこの為だろう。



姫君は不思議な雰囲気を漂わせており妖しげなを占いをしていたという。

帝までとはいかないが同じく民の事を思っていた。

だが生まれつきの雰囲気は民達から恐れられたと言う。






ある夏の日の事。この都に病が流行りだした。
これにより民達は苦しみそして命を落としていったと言う…


やがて病の死者は百人を越える。


原因不明の病に一人の民は姫を疑い始めた。

ただでさえ恐ろしく、妖しげな女だ。この都に妖術を唱え不治の病を広げたのだと。



すると噂が噂を呼び病が姫の妖術と言う話が都中に広まったではないか。





その話は帝の耳にまで届いたのだ。



帝は姫に刃を向ける。



「申す。この病はそなたの仕業か?」

「いえ、妾では御座いません帝様!」

姫は勿論否定する。

しかし否定すればするほど疑われるもの。

帝は聞く耳を持とうとしない。結局姫は処罰を受ける事となる。



百鞭の計




更にその醜態を民達の見世物にされる始末。

次に彼女は両手を切り落とされた。
二度と恐ろしい妖術が出来ぬようにと。

悲鳴が都に響き渡る。

大量の血が地面を赤く染めた。


最後には姫は都から追い出されてしまう。

いや生かされただけ良かったのだろう。



彼女は都の外を歩き続けた
「許さない。」

彼女の心は憎悪に満ちる。


「妾が何をしたと言うのだ?」


都の中からは歓喜の声が聞こえる。


「帝、民、覚えておれ…!」

両腕から血を流しふらふらと歩き続け

彼女は十里ほど歩き続けた。


歩き続けた後彼女は海にたどり着く。
海岸沿いの祠に立ち寄った。




そう。海神様の祠。

洞窟になっており中に鳥居が建たれ更にその奥には深い縦穴とそれに満ちた海水。

姫は言う
「海神様。妾は病の元凶とされこの様な姿にされました。帝、民、都は妾を裏切ったのです。
妾の怨みをどうか晴らして下さい。都を…滅ぼし願います…!」





…すると祠の海水の中から女が現れたではないか。


不思議な女だ。まるで人間ではないようにも感じられる。

いや、人間ではない。


手に持った
玉手箱を姫に渡すと女はなにも言わずまた海に沈むように戻って行った。


暫くすると縦穴の底が光り出す。


辺りに地響きが鳴り出し巨大な龍が縦穴から出現。


紛れもない。海神様だ。

妾の想いが通じたのだろうか?



海神は大津波を発生させ都の方へ波に乗り向かって行く。

そう。姫の怨みを晴らす為に。




その頃、都では病はまだ治まらず民達は苦しんでいた。

日が経ち都では姫の妖術と噂されたが今は妖術ではないという話が広まり後悔する者も多い。
帝もまた後悔している様子である。


だがもう手遅れなのだ。






突如空が曇りだし大雨が降りだした。
雲一つないはずの晴れた空だったのだがいきなりどうしたのだろう…?

雷も鳴り出し
都を襲った。

どういうことだ?これは滑稽な話だ。

先程まで晴れていたと言うのに
ここまで天気が悪化するはずがない。


次に地震が発生する。
民達は危険を感じた。


そして海神の発生させた津波が都へ押し寄せた。



津波と海神は都を呑み込む。


民達は次々に溺死、都は瞬く間に瓦礫の山と化してしまう。

城に残る帝は海神を見ながら
「すまぬ。姫よ…」

と最期に言い残し、城と一緒に津波に呑まれた。

都は海神により惨状と化す。

まるでその時の姫の憎悪を具現化したかのような。






一方姫は授かった玉手箱を開ける。すると煙が現れ姫を覆った。

すると身体中の傷が癒え、更に手までもが元に戻ったと言う。


海神の祠に拝み祠を後にする。



その次の日。姫が都に戻ってみると都は見るも無惨な姿となっていたではないか。





姫の願いに海神は答えたのだから。

しかし姫は絶望だった。


彼女の心の歪みが都滅ぼしにまで発展したのだから。

彼女は確かに無実の罪を問われ処罰を受けた。
だが命だけは奪われなかった。



民達は皆海神の津波に呑まれ一人残らず死んでいった。
帝もこの様子だと生きてはいないだろう。



あまりにも酷すぎた現実。彼女の恨みは晴れたのだろうか?

否。彼女は恨みを通り越し絶望した。

更に自分だけは五体満足。それすらも気に入らなかった。




姫はその日涙が涸れるまで泣き悲しみに暮れたという。大変な事をしてしまったと。







次の日の朝。姫は海神の祠にいた。だが海神はもう現れる事はない。

それを知ってながら姫は祈祷する。
「妾の体を生贄に民達と帝をどうか黄泉返らせてください。」と。
勿論叶わない話である。
だが姫は自分が憎くて仕方無かったのだ。


最期に姫は縦穴に向かって身を投じてしまう。


姫は縦穴奥深くへと沈んで行ったのだ。


この話はこの地で伝説として語り継がれている。

そして現在では海神様とその身を投じた兎々姫の祠として祀われている。




海神閲覧ありがとうございます。
2000文字超えの割と長い話。
なんかね。サビを聞くと海神が都を滅ぼすイメージしか湧かなかった。

そしてテーマは人の業。
あとは姫が妖しげな雰囲気を出していたのは元々ジャケの女を姫と考えていたからです。つまりその名残。