3612 ワールド

 

基礎情報

・総合衣料品大手です。

・百貨店向けに、UNTITLEDなどのレディース衣料品ブランドやタケオキクチなどのメンズ衣料品ブランドを出店(ミドルアッパー事業)するほか、ショッピングセンター向けにOPAQUE.CLIPなどのブランドを出店(ミドルロワー事業)しています(計約1600店舗)。

・2022年2月には、持ち分法適用会社だった子供服大手のナルミヤインターナショナルを連結子会社化しています(計約680店舗)。

 

業績

・売上は20/3期2362億、21/3期1803億、22/3期1713億です。

・営業利益は20/3期123.5億、21/3期▲216.3億、22/3期21.9億です。

・21/3期はコロナ禍の行動制限の影響を受けて大幅な減収減益となりました。22/3期は、ブランド数の縮減や、2回にわたる構造改革で約830店舗から撤退するなど、各種合理化施策により減収増益となり、黒字転換しました。

 

今後の見通し

・23/3期は通期(上方修正後)で2120億、営業利益125億が予想されています。

・3Qまでで売上1574億(前年同期1262億)、営業利益121.1億(同49.9億)となり増収増益となっています。

・例年、利益の大半を冬物の販売により3Qで稼ぎますので、進捗率は高いですが、通期では概ね予想通りの着地が想定されます。

・3Qまででナルミヤインターナショナルの売上が約200億、営業利益10億が上乗せされていますが、それを除いたとしても、行動制限が緩和されたことを追い風に前期比で増収増益となっています。

・コロナ禍前の売上(3Qまで1823億)や営業利益(同169.8億)の7~8割水準にまで回復していますし、3Q単独でみるとコロナ禍前の9割程度までの回復を見せています。

 

財務

・自己資本比率は34.9%ですが、IFRS基準ですので店舗の将来の家賃が使用権資産とリース負債に両建てされているものと思われ、やや見た目の数字はやや低くなっています。日本基準にすると自己資本比率ももう少し高まり、問題ない水準かと思います。

 

 

株価

・株価は現在1418円で、予想PER8.8倍、PBR0.55倍となっています。

・コロナ禍前の株価水準は2500円前後でしたが、コロナにより2020年に株価が1400円前後にまで下落して以降、横ばいのまま浮上していません。

・アパレル大手のアダストリアなどはコロナ前の利益の9割前後まで回復している中、株価もそれに連動して回復していることを考えると、当社は業績が7~8割水準まで回復している割に、株価は6割の水準にとどまっており、回復が遅れているように見えます。

・他のアパレル企業は概ねPER12倍前後で評価されていることを考えても、割安放置感があります。

 

 

投資方針(まとめ)

・アパレル(特に百貨店向けなどの高価格帯)は、国内需要は概ねコロナ禍前まで回復してきましたが、インバウンド向けはまだまだ回復途上です。

・来期はコロナを完全に克服する見通しも出てきましたし、そういう意味ではリベンジ消費というテーマ性もあります。

・そんな中で、当社の株価はまだ割安水準で放置されており、いずれかのタイミングで水準訂正が起きてもおかしくないと考えており、先日購入した次第です。

 

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※当記事は特定の株式銘柄の購入を勧奨するものではありません。
 あくまで投資は自己責任において行うよう、お願いします。