私がかかった「フィッシャー症候群」
医学的には「免疫介在性末梢神経障害」と定義される、神経の病気です。
そもそも、神経は「中枢神経」と「末梢神経」に分かれます。
脳と脊髄を併せて「中枢神経」といい、
中枢神経から枝分かれし、体中の様々な部分とを繋ぐ神経が「末梢神経」になります。
フィッシャー症候群の8割は、上気道系感染症(要するに風邪)から移行します。
たしかに、ここ一週間は風邪をひいており、忙しかったこともあって、完治させずにいました。
通常の場合、体の免疫が作用して、風邪ウイルスをやっつけます。
フィッシャー症候群は、免疫が誤って自身の末梢神経に反応することで起こります。
特徴的な症状は次の通りです。
① 外眼筋麻痺(モノが二重に見える)
② 運動失調(ふらつく)
③ 腱反射消失(脚気反応が無くなる)
②はそこまてひどくはなかったのですが、とにかく①が辛かったです。
パソコン、テレビ、読書、何をするにも、視界が定まらないというのは致命的でした。
長時間続けると、目が痛くなり、ひどいときには頭まで痛くなります。
結局やることがなくなり、最後はイヤホンで落語を聞いていました。(立川志の輔師匠最高!!)
そして、気になる治療法です。
手術か?(*_*)
手術なのか?(@_@)
手術ですよねー(T_T)
人生35年目にして、ついに体にメスが入ることを覚悟したのですが、
主治医いわく、
免疫が異常を起こしているため、回復には手術や投薬ではなく、
自然治癒を待つしかないのだそうです。
通常は1~2週間かけて症状が進行し、
免疫反応が落ち着くと、その後は1~3ケ月で改善に向かい、
ほとんどの症例が半年で完治しているのだそうです。
ただ、罹患率が100万人に数人という稀な病気であるため、
すべての症例でそうなるとは言い切れないのだとか。
また、この病気によって命を落とすことはありませんが、
ギラン・バレー症候群へ移行してしまうと、
同様の原因で、運動神経が障害され、手足に力が入らなくなり、
重症化すると、呼吸不全で最悪の場合死に至ることもあるそうで、
今回は、治療目的というよりも、保護観察的な意味合いでの入院になるらしいです。
病室に移り、妻と看護師が入院準備を進める中、
ベッドの上で今後のことを考えていました。
自分は完治するまでにどのくらいかかるのか?
ギラン・バレーへの移行頻度は?
この状態で仕事は続けられるのか?
今月入社したばかりの井手君の面倒は?
落胆する私を見かねてか、看護師さんが声をかけてくれました。
「症状が安定したら、一時外出の許可だって下りるかもしれませんよ。
そうなったら何したいですか?」
と聞かれたので、思わず、
「会社!!」
と言ってしまいました。
横にいた妻からの突き刺さるような視線は、今でも忘れられません。。。
(つづく)
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