日本伝統文化の一つ、日本酒。1975年の販売量は167.5万キロリットル。それが2017年は52.6万キロリットルにまで落ち込んでいるらしい。このままではまた一つ日本の伝統が失われてしまう。
僕には飲むと二日酔いになる日本酒と、そうならない日本酒がある。その違いは何か。その答えは・・・
僕が二日酔いになる日本酒→醸造アルコール添加の日本酒。(本醸造・吟醸・大吟醸)
僕が二日酔いにならない日本酒→米だけで作られた醸造アルコール無添加の日本酒。(純米酒・純米吟醸・純米大吟醸)
そもそもの日本酒とは、「米100%」で作られたお酒であった。それが戦時中に兵隊さんに飲ませる日本酒が足りなくなって、かさましのために醸造アルコールを足したのが私が飲むと二日酔いになるカテゴリーの日本酒の起源だ。今は吟醸香という香りをたたせるために用いたりもするが、いかんせんもともとの日本酒に含まれていたものではないし、そもそも醸造アルコール自体原料が米ではないし、しかも蒸留酒。だから厳密にいうと醸造アルコールを使用した日本酒は醸造「醸造酒」ではなく、「混成酒」ということになる。
戦争が終わって復興の途をたどり、人々の生活が豊かになってくるとますます「酔うためのお酒」が台頭してくる。そこに価格競争が絡み、さらに経済的な要因も加わってくると、「価格」が重視され、「質」は二の次になる。それらの酒は、そういったお酒に戦時中に慣れしたんで来た人々には美味しく感じられても、はじめて飲む人にはどうか?ましてや料理にも「味」が求められる飽食の時代に。
今やインターネットが普及してパソコンやスマホで情報が収集できるようになったが、ひと昔前の(ある意味今も)消費者の情報源はやはりテレビ。〇関、菊〇宗、〇桜、松〇梅などの大手酒造メーカーがこぞって「価格」を重視した大量生産のお酒を宣伝した。それなりに宣伝効果はあっただろうが、結果としてこれも「日本酒離れ」の要因であると私は思う。
私の「日本酒が苦手」とおっしゃるお客様に、幾度となく「騙されたと思って飲んでみてください。」と、私のお気に入りの日本酒をお勧めしてきたが、大体のお客様が、「え?これ日本酒?美味しいね!」となる。「ワインみたい!」というリアクションもあった。ある意味当たり前だ。同じ醸造酒なのであるから。
つまり、最初に美味しくない日本酒を飲んでしまったために「日本酒は美味しくない」とインプットされてしまった人は少なくないと思う。
逆に最初に「美味しい日本酒」に出会えた人はその後も日本酒を愛してやまないだろう。
最後にもう一つ付け加えれば、日本酒を造る「道具」の問題もある。近年ではステンレスタンクで日本酒が作られる。その結果木樽が必要とされなくなり、今や木樽を造れる人材も激減していると聞く。ここでも日本の伝統が失われつつある。