2015年の6月末に医薬品分野にも
お上の「骨太2015」が降りてきました。
医薬品業界は「規制業種」なのでお上の戦略は経営を直撃します。
で。早い話、お上のお言葉はこんな感じ。
「2020年までに新薬は20%、ジェネリック80%ね」
「毎年新薬作れない製薬会社はジェネリック専業になりなさいな」
日本の場合、これから高騰を続ける医療費に対して、
医療や薬などを国民に平等に届ける「皆保険」とのバランスを
とらなくてはなりません。
その一方で、世界でも新薬を開発できる国はわずか。
その国際競争力をこれ以上落としたくない、という立場なのです。
そこで大きな流れか3つ。
①製薬企業のスペシャリティー化
今まで大手・中堅の製薬企業は、総花的に薬を開発してきました。
しかしここに来て、消化器分野、循環器分野、糖尿病分野、眼科分野などなど
得意分野や将来的に成長が期待される分野に選択と集中を進めています。
研究開発期間の短縮とコスト削減を図りつつ、
下がり続ける薬価の中、売上と収益性を上げていくというわけです。
新薬は多様化しているけれど、その分高度化して昔ほどは
たくさん出せない状況になっているので、自然な流れですね。
新薬の研究開発については、お上も
「アカデミアとベンチャーの支援するからそこからシーズ調達せい」
と言ってますから、
ベンチャー業界としてはついに時代が来た!という感じなのですが…
そこは次回お話ししましょう。
②新薬系(先発品)企業のジェネリック進出
ジェネリックは成分が同じでも、製法が違ったりするので、
「全く同じ薬」ではないことは皆さんもご存知だと思います。
そこで、先発品を作っている企業は
「ジェネリック子会社作って、そこに自社の特許ライセンスすれいいじゃん」
そうすれば、自社の先発品と同等の薬が作れる上、
今までの顧客(医師や患者)も維持できて、お上の戦略も満たせるんじゃ?
というわけです。
これが最近話題の「オーソライズドジェネリック」というもの。
第一三共エスファが有名ですね。
最近の話題は武田テバ。
武田の長期収載品とテパのジェネリック事業の合弁会社が登場予定です。
③ジェネリック専業企業の競争激化
さて、ジェネリック専業企業はどうするか?
市場成長の機会ではあるけど、大手も進出するしで、
低価格競争による競争激化は必須の状況です。
たくさんのジェネリック品に困惑する医療現場(医師や薬剤師)へのケア、
欠品が許されない安定供給の義務、などなど課題も多く、
収益性が下がった薬は撤退したいところ。
さすがにお上も
「基礎的医薬品は薬価の下限決めるからね(これ以上は下げないよ)」
とは言ってますが、
専業企業はすでに体力勝負、淘汰の時代が到来。
よりマーケティング力、効率良い製造・物流が必要になりました。
こんな感じで外部環境が激変中。
これにグローバル戦略も合わさってそりゃ大変だよ!
そこで創薬系バイオベンチャーはどうするか?が次回のお話。
実務補習が始まるので、ちょっと空いちゃうかも。
気長に待ってくれると嬉しいです。
前回のその1では、開発の前半部分を書きました。
今日は後半です。
臨床試験:GCP
治験は主に3つのフェーズで構成されます。
1つのフェースでいい結果がでれば、次に進む方式です。
3つのフェーズが終わるまで5-8年ほどかかる長い道のりです。
前臨床試験の結果で、計画書をつくり、
各機関の倫理審査や、厚労省への届け出を経て開始されます。
フェーズ1
健常人(健康な人)に投与して、
安全性や吸収・代謝・排泄などの薬物動態を調べます。
ただし、抗がん剤や手術後の投与が目的となる薬などは、
健常人では難しいので、この段階から患者さんに行うことになります。
フェーズ2
少数の患者さんを対象に、安全性や薬物動態、薬の用法や投与量を調べます。
ここで「この薬は効きそうだ」「こんな副作用がでそうだ」
という結果が得られないと、次には進めません。
動物実験や健常人の試験結果から得た予想とは違うことも多く、
多くの薬がこの段階で開発を終了することになります。
次のフェーズはコストが一桁違うので、経営判断が求められます。
フェーズ3
実際に販売されることを想定して、患者さんに対して大規模に実施します。
ここでは「実際に効くか」が調査のメインです。
生活習慣病のような患者さんが多い薬は、症例数が数百になります。
この段階まで来るものは「開発成功」の確率が高いです。
経営判断的に一か八かでここには来ませんので。
販売(上市)までとその後
最終的には国の許可が必要です。
上市とは市場投入の意味ですが、
医薬品業界がこの言葉を好んで使うのがわかる気がします。
10数年間の苦難を乗り越えて「市場に上げる」のですから。
承認申請(1-2年)
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認申請します。
ここで各種審査が行われ、最終的には厚生労働省が製造販売承認します。
ここで同時に「製造方法や品質:GMP」も審査対象となります。
薬は工業製品でありながら、安全性や品質、安定供給の観点から
一度製造方法を決めたら、企業は勝手に変えられないのです。
最近では「化血研」の事件がとても残念ですね。
承認されても、新薬の場合はすぐに販売できません。
国に「薬価基準収載」してもらわないと流通できません。
医療保険制度があるので、薬価は国が決めます。
つまり、自社製品ですら勝手に価格を決められないのです。
市販後調査
販売後も試験ではわからなかった副作用の調査などがあります。
あとから薬の添付文書が追記されたりするのはこの調査の結果です。
ざっとこんな流れです。
それぞれに専門性が細分化されていて、
全過程を1社でやることはありません。
私が所属するベンチャーは基礎研究、つまり一番最初の部分のみです。
そんな医薬品業界は、いま環境が激変中です。
そのお話はまた次の機会に。
今日は後半です。
臨床試験:GCP
治験は主に3つのフェーズで構成されます。
1つのフェースでいい結果がでれば、次に進む方式です。
3つのフェーズが終わるまで5-8年ほどかかる長い道のりです。
前臨床試験の結果で、計画書をつくり、
各機関の倫理審査や、厚労省への届け出を経て開始されます。
フェーズ1
健常人(健康な人)に投与して、
安全性や吸収・代謝・排泄などの薬物動態を調べます。
ただし、抗がん剤や手術後の投与が目的となる薬などは、
健常人では難しいので、この段階から患者さんに行うことになります。
フェーズ2
少数の患者さんを対象に、安全性や薬物動態、薬の用法や投与量を調べます。
ここで「この薬は効きそうだ」「こんな副作用がでそうだ」
という結果が得られないと、次には進めません。
動物実験や健常人の試験結果から得た予想とは違うことも多く、
多くの薬がこの段階で開発を終了することになります。
次のフェーズはコストが一桁違うので、経営判断が求められます。
フェーズ3
実際に販売されることを想定して、患者さんに対して大規模に実施します。
ここでは「実際に効くか」が調査のメインです。
生活習慣病のような患者さんが多い薬は、症例数が数百になります。
この段階まで来るものは「開発成功」の確率が高いです。
経営判断的に一か八かでここには来ませんので。
販売(上市)までとその後
最終的には国の許可が必要です。
上市とは市場投入の意味ですが、
医薬品業界がこの言葉を好んで使うのがわかる気がします。
10数年間の苦難を乗り越えて「市場に上げる」のですから。
承認申請(1-2年)
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認申請します。
ここで各種審査が行われ、最終的には厚生労働省が製造販売承認します。
ここで同時に「製造方法や品質:GMP」も審査対象となります。
薬は工業製品でありながら、安全性や品質、安定供給の観点から
一度製造方法を決めたら、企業は勝手に変えられないのです。
最近では「化血研」の事件がとても残念ですね。
承認されても、新薬の場合はすぐに販売できません。
国に「薬価基準収載」してもらわないと流通できません。
医療保険制度があるので、薬価は国が決めます。
つまり、自社製品ですら勝手に価格を決められないのです。
市販後調査
販売後も試験ではわからなかった副作用の調査などがあります。
あとから薬の添付文書が追記されたりするのはこの調査の結果です。
ざっとこんな流れです。
それぞれに専門性が細分化されていて、
全過程を1社でやることはありません。
私が所属するベンチャーは基礎研究、つまり一番最初の部分のみです。
そんな医薬品業界は、いま環境が激変中です。
そのお話はまた次の機会に。
久しぶりに更新にあたって、自分のブログを読み返してみました。
このタイトルにして肝心なこと書いてないのでは?と。
それは…
新しい薬ができるまで
診断士合格後、懇親会などで自分の仕事について話すことが多いと思いますが、
私はいつも苦労するんですよね。
ようするに「薬を創る」というイメージが湧かないらしい。
というわけで、初めてこのブログみてますよ!という方もいらっしゃると思うので、
簡単に説明いたしましょう。
基礎研究(2-3年くらい)
薬になる可能性がある物質の発見や、
発見した物質がどんな疾患に適正があるかなどを研究します。
以前は大規模な化学物質のスクリーニングが主流でしたが、
最近は、バイオテクノロジー技術、ゲノム情報、免疫学、細胞工学などを
使った最先端の探索が進んでいます。
ここで特許を国際的に網羅するように取得するのが戦略的に重要となります。
↓
前臨床試験;GLP(3-5年くらい)
基礎研究で「薬になるかもしれない」と判断された物質などを
薬の形に近づけるべく、動物などを使って試験していきます。
ちょっと難しい言葉でいえば、毒性、動態薬理、薬効などです。
例えば、物質の特性上どのような投与方法が向いているか(注射か経口かなど)、
どのくらいの量をどの間隔で投与すると毒性がでるのか、
実際に投与したあと、何時間で体内から薬がなくなって、
どのくらい効き目があるのか、などです。
ここで良い結果がでれば、次は「治験」となりますが、
治験は人に投与しますし、試験費用が一気に跳ね上がるので、
ここでかなりの数が振り落とされます。
今日はここまで。
気がついた方もいると思いますが、ここまでですでに5-8年もかかってます。
特許がなぜ医薬品について「延長」があるのかお判りかと思います。
最近は、この基礎研究部分をベンチャーやアカデミア(大学や公的機関)が行い、
それを製薬会社が買い取って、前臨床試験から行うパターンが多くなりました。
その部分については、また別の機会に。
次回は「臨床試験(治験)」から始まります。
このタイトルにして肝心なこと書いてないのでは?と。
それは…
新しい薬ができるまで
診断士合格後、懇親会などで自分の仕事について話すことが多いと思いますが、
私はいつも苦労するんですよね。
ようするに「薬を創る」というイメージが湧かないらしい。
というわけで、初めてこのブログみてますよ!という方もいらっしゃると思うので、
簡単に説明いたしましょう。
基礎研究(2-3年くらい)
薬になる可能性がある物質の発見や、
発見した物質がどんな疾患に適正があるかなどを研究します。
以前は大規模な化学物質のスクリーニングが主流でしたが、
最近は、バイオテクノロジー技術、ゲノム情報、免疫学、細胞工学などを
使った最先端の探索が進んでいます。
ここで特許を国際的に網羅するように取得するのが戦略的に重要となります。
↓
前臨床試験;GLP(3-5年くらい)
基礎研究で「薬になるかもしれない」と判断された物質などを
薬の形に近づけるべく、動物などを使って試験していきます。
ちょっと難しい言葉でいえば、毒性、動態薬理、薬効などです。
例えば、物質の特性上どのような投与方法が向いているか(注射か経口かなど)、
どのくらいの量をどの間隔で投与すると毒性がでるのか、
実際に投与したあと、何時間で体内から薬がなくなって、
どのくらい効き目があるのか、などです。
ここで良い結果がでれば、次は「治験」となりますが、
治験は人に投与しますし、試験費用が一気に跳ね上がるので、
ここでかなりの数が振り落とされます。
今日はここまで。
気がついた方もいると思いますが、ここまでですでに5-8年もかかってます。
特許がなぜ医薬品について「延長」があるのかお判りかと思います。
最近は、この基礎研究部分をベンチャーやアカデミア(大学や公的機関)が行い、
それを製薬会社が買い取って、前臨床試験から行うパターンが多くなりました。
その部分については、また別の機会に。
次回は「臨床試験(治験)」から始まります。
皆様
大変お久しぶりです。ちょうど1年ぶりの更新なんですね。
今日、無事、H27中小企業診断士口述試験を受けてきました。
長かった受験期間を振り返ると、感慨深いものがあります。
今年が最後の挑戦と決めてました。
最後に行き着いたのはシンプルに
「自分の提案(解答)が顧客に通用するのか?」ということでした。
自分の中でその答えが出た時に
初めてこの資格の本質に触れた気がしました。
自分の変化、スキル、必要な環境が揃って、
全部がうまく回り始めたという感覚です。
そのためにこの時間が必要だったのだと思います。
これからは、独立を目指しての挑戦が始まります。
大変なこともあると思いますが、それも楽しみの一つですね。
試験について書くのは今日が最後です。
(いままでそれほど書いてもないけど)
ほんとうにありがとうございました。
大変お久しぶりです。ちょうど1年ぶりの更新なんですね。
今日、無事、H27中小企業診断士口述試験を受けてきました。
長かった受験期間を振り返ると、感慨深いものがあります。
今年が最後の挑戦と決めてました。
最後に行き着いたのはシンプルに
「自分の提案(解答)が顧客に通用するのか?」ということでした。
自分の中でその答えが出た時に
初めてこの資格の本質に触れた気がしました。
自分の変化、スキル、必要な環境が揃って、
全部がうまく回り始めたという感覚です。
そのためにこの時間が必要だったのだと思います。
これからは、独立を目指しての挑戦が始まります。
大変なこともあると思いますが、それも楽しみの一つですね。
試験について書くのは今日が最後です。
(いままでそれほど書いてもないけど)
ほんとうにありがとうございました。
いま、棚卸中です。
なにを?
これまで勉強してきたこととその成果。
2次試験が今年も残念な結果になり、
評価もきたところで一区切りですし。
敗因分析、も大事なんですが、
今回はもっとマクロな視点に立って
スタートしてみることにしました。
「ラスト1年」悔いの内容に過ごしたいですからね。
1週間ほど作業してますが、いろいろとでてきますね。
反省やら欲やら、喜怒哀楽やら。
最近の仕事からしても、学習の成果はでているんじゃないかと
思ったりします。
そんなこんなで、今年もいろいろありましたが、
みなさま本当にありがとうございました。
あ。ブログは続けたいなと思ってますが、
あんまり試験のことは書かないかな、と。
突然わーーーっと書き出すかもしれないです(笑)。
では、みなさま、少し早いですが、
よいお年をお迎えくださいませ~。
なにを?
これまで勉強してきたこととその成果。
2次試験が今年も残念な結果になり、
評価もきたところで一区切りですし。
敗因分析、も大事なんですが、
今回はもっとマクロな視点に立って
スタートしてみることにしました。
「ラスト1年」悔いの内容に過ごしたいですからね。
1週間ほど作業してますが、いろいろとでてきますね。
反省やら欲やら、喜怒哀楽やら。
最近の仕事からしても、学習の成果はでているんじゃないかと
思ったりします。
そんなこんなで、今年もいろいろありましたが、
みなさま本当にありがとうございました。
あ。ブログは続けたいなと思ってますが、
あんまり試験のことは書かないかな、と。
突然わーーーっと書き出すかもしれないです(笑)。
では、みなさま、少し早いですが、
よいお年をお迎えくださいませ~。
