☆前回までのあらすじ

風邪気味の主が、探偵物語のテーマ「Bad City」を口ずさみながら



40年前の原付「ベスパ50-SA1T」に命を吹き込む作業の途中

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どうもクサイと睨んだ部品”イグニッションコイル”を交換してみる作業

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続きます>



☆きょうびの原付というのは、所謂セルスタータというのが付いてますが
オールドベスパに関しては、そんなもんは一切御座いません。

「キックスタータを勢いよく踏んづける作業」

それによって電気が発生し→火花が飛び→ガソリンに着火して爆発→エンジンが始動する。
という流れになります。



化学の時間に習いましたかな?”燃焼の三要素”

・よい燃焼物
・よい空気(酸素)
・よい熱源/着火源

エンジンが掛からない。というのも、この3つを調べりゃ何とかなるのです


ガソリンは新しいか?(ガソリンは、腐るんです)
空気の通り道は綺麗か?塞がれてないか?(キャブレターの洗浄。調整というやつです)
熱源・着火源は大丈夫か?(プラグ→イグニッションコイルという部品ですやな)



「ベスパはよくカブる」と言います

カブるというんならキャブや燃料、空気系統は正常であって
”火花が飛ばない。弱い”というのが原因として疑われるべきだったのです。


何故これに気づかなかったんだろう・・・


一通りウェブを調べても、ベスパのコイルにこだわったHPは見ませんでしたので
ならば私が人柱になりましょう。という事でw




〇用意したのが、中古屋から引っ張ってきた
日本製の6V用イグニッションコイル(信頼の三菱マーク入りですw)

それに端子用金具、リード線。ハンダ付けセット

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プラグとコイルコードを無理繰りに取り付け
アース線をチョイチョイと自作。

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端子をリード線につけ

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コイルに2本生やして(安定のために2本同じ長さを取る)
エンジンアースを取る。と

既存の純正コイルはそのまま取り付けて
増設のコイルを開いたスペースにねじり込む


ベスパの場合、始動性に重きを置いてNGK品番「B5HS」や「B6HS」を
使用される方が多いと思いますが・・・
この改造を施したら、熱価の高い「B7HS」でも十分に火は飛びますのだ。



作業はたったこれだけです



これだけで、見た目にも純正のコイル(イタリア製)よりも
火花が明らかに違う。。。

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外す必要もないからと、純正コイルはそのまま装着。
2系統も積む必要は無いとは思いますけど(笑 まぁそこが私流改造という事で。

(主が飛んだら副が生きる機会は必ず有るというもの。予備の手を持つ事は嗜みです)



キック一発で掛る日本製のスクータとほぼ同じ足の力の入れ様で
ベスパのエンジンが掛かる。

何人のオールドベスパオーナーが夢見た光景かと(大げさでもなくてね)



私の後に続く方へ


【ベスパの純正コイルが、弱すぎる】


この発見がどれだけ凄い事かという事も含め
オールドベスパをお持ちの方ならばちょっと羨んでいただける事だと思いますが。。。







タイヤを取替え、油脂・灯火類のチェックを施し
1日1回、3日間ワックスを塗りたくり
タイヤにはタイヤワックスを摺り込み
金属部にピカールを磨きこむ作業で・・・


磨き道の基本
「黒い部分が黒く」「銀色の部分が銀色になるだけで」個体は見違えるのです


私の所有暦の中での最高性能を纏って、素人改造の新しい定理によって復活

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「キック一発で掛かる、ベスパ50S」


”走らない単車”というのは困ったものです
火を入れ、エンジンを回し、走らせてナンボ。

それがビカビカな車体であるからこそ美しいのです。



しかし、この改造は夏にやっとくべきだったな・・・
今からの時期、単車は寒いんですよ。。。




単車に乗って風を感じるのさ。と言い切って
風を感じずに、風邪を拾って床に伏せる。

(文字で表すからこそ伝わるこの韻w)


男というのは幾つになっても子供です

こういう事をしてると、ちょっと日常の喧騒からは離れられるのです。



このパンパン言うエンジンが回ってる間は

私は笑顔で、ほんの少し...幸せでいられるのです


なんだか日常が面倒臭いんでねー。