↑どうにか右折自動車の切れ目で祇園石段下交差点をクリアし電停にたどり着いた京都市電 昭和51年

古都には市電が似合うのにね、とよく言われる。年々路線を縮小してきた頃である。そして、代替の市バスが走り始めた。
違いは顕著であった。
好きで市電に乗っているとはいえ、交差点ごとに右折のクルマに進路を阻まれる。青でも渡れない。右折のクルマが渡り終えれば信号は赤になる。その繰り返しである。主要な交差点には電停もあり、乗降のタイミングによってはさらに次の信号を待たなければならない。
道路の中央に軌道が固定されている路面電車の宿命であろう。

平成になって、他の都市に残存している路面電車に乗った。
案外、流れるように走るのである。そこは城下町であった。道路は変則的である。T字の交差点なんかも多い。なるほど、右折のクルマと一緒になってくねくね走ってゆく。

碁盤の目の京都の都大路。走りやすそうに見えても十字路の交差点ごとに右折のクルマに阻まれるのである。
しかし、そんな十字路でもサクサク捌いている都市もあった。そこは片側何車線もある広い道路である。道路の中央に路面電車が走るのは変わらないが、その左側にクルマの車線が左折直進、右折とセパレートされ、軌道に右折待ちのクルマが入らずに済むようになっている。そして、信号の操作によってそれぞれを誘導しているのである。
京都の電車道にはその広さが足りなかったようだ。

京都では交差点の進路を自由に選べるバスに代替することによって、このイライラを解消したようだ。片側2車線の交差点では左側レーンを主に活用することによってスムーズに直進している。
路面電車の車両も乗降のしやすい低床車両が人気であるように、バスもノンステップ車両↑に置き換えられた。
低公害ではハイブリッド車やCNG車が導入されてきたが、最近ではオーソドックスなタイプが主流になっているようである。
     ↑市電⑥系統の代替は市バス206系統で。一部施設の駐車場のマイカー規制などでかつてのような閉塞的な渋滞は起こらなくなった。コロナ禍の最近では市電の苦悩がウソのように交通の流れは良くなったようだ。