■小泉考と首相の価値


先日、「小泉さん(自身)には陰謀的背景がない」と書いたら

各所で少しご意見を頂いたんですが

政治としての深謀背景を語っていくと

恐らく戦後の我が国首相の背景に、何ものの陰謀も存在しない

"宰相"は存在しないでしょう。


ネットゲリラさんのエントリーで考えさせられたんですが


次の首相は福田康夫に決まりました

http://my.shadow-city.jp/?eid=465303

(ネットゲリラさん)


ある意味待望論的な期待感は小泉さんが消し去ったのかなと。

国民が色々と賢くなった・・


で小泉さんは恐らく、私怨の人だったんではないでしょうか。

YKKへの対応、大勲位、橋本派・・・


小泉さんの思想形成で一番影響を与えたのは

やはり、母、芳江さんだと思います。


祖父又次郎、父純也、それぞれの関係の逸話を聞くと

一貫して続いているのは芳江さんの影響ではないかと。


そうなると、又次郎さんの影響が大きい人のように思う。


又次郎さんというと、戦前の「保守リベラル」的言動の人。

ただ今でいう「リベラル」ではなく

黎明の時代のリベラルなので、今の人権屋リベラルとは背景が違います。


又次郎さんというと普通選挙の生みの親の一人とも言われる

民権政治家。


で以前に別件エントリーで紹介した写真なんですが


頭山・杉山翁

頭山・杉山茂丸両翁祝賀内々の宴席(昭和10)

広田弘毅、吉田茂、小泉又次郎

山本悌二郎、荒木貞夫陸軍大将

望月圭介、松岡洋右等々・・・

(ちなみに発起人の内田良平翁は外遊のため代理人出席)


これは玄洋社人脈を中心とした

頭山満、杉山茂丸両翁の功績を祝う宴席ですが

両翁に縁のある関係者約300人が列席。

興味深いのは、

その中で、小泉又次郎の席は主賓席・・と言っても

両翁縁の内輪の会の主賓席ですので、ごく親しい、

親交の深かった人ばかりの席です。


国粋主義者と言われる翁の宴席にリベラルな民権運動家。

少し奇異に感じるかもしれませんが

玄洋社は元々自由民権運動結社がはじまり。


戦前リベラルというのは、今でいう人権屋リベラルではなく

黎明の近代国家形成の原動力であったわけです。


ところで

小泉さんの父、純也さんは

戦後、北朝鮮在日送還運動事業の首魁となったとして

批判を浴びましたが


「小泉首相の父親、在日朝鮮人の北朝鮮送還事業を主導」

http://www.chosunonline.com/article/20051020000042

(朝鮮日報)


これは、混迷の時代の

頭山翁の掲げた大アジア主義の痕跡の影響もあると思います。

(民族アイデンティティーという話題もありますが)


私は、戦前のアジア主義思想と戦後のアジア主義は全く別物と考えています。

戦前のアジア主義は植民地化されたアジア各国の

独立運動を支える体系的思想であって、独立後のアジア主義は

戦前アジア主義の理想を踏襲することはできない(物理的に無理)だと

思っています。


だから、今の民族派、保守派に残るアジア主義は、

頭山思想へのノスタルジーで構成されているように思います。

それを利用しているのが、東アジア共同体構想ではないか。


保守のフリした○日集団

http://ameblo.jp/disclo/entry-10037899100.html


頭山翁の理想としたアジア主義は

赤化して生まれた中国や民族として未だ半独立である半島国

では物理的根源が異なるのです。


汎アジア共同体構想はそのノスタルジーを超越できるかで

理想論となりうるかどうかが決まるのではないかと。


でなにが言いたいのかというと


小泉さんの思想は、ノスタルジーの曲解の延長のような気がするという事です。


さて、自分の本当の味方はいない・・・とストイックに感じていた小泉さんは

自分の思うように政治を行った。


ちなみに又次郎さんの功績として普選運動があげられますが

氏が最後まで執着したのは、電話局の民営化です。


郵政民営化への執着は、巷で言われる私怨?もそうですが

又次郎さんの民営化への執着・・・これもご母堂を通じてしみ込んだ

ノスタルジーのなせる技ではなかったでしょうか。


ありえない総理の誕生であわてたのは

既存の悪弊ともいえる利権構造でしょう。


あるものは、単純明白な小泉さんにつけこんで利権を温存した。

あるものは、小泉さんの性格を利用して、何かを為そうとした。


いくつかのエリート官僚グループはうまく利用したかもしれない。


今までのように恫喝で抑えられると思った者たちは

ブッシュをたてればなんともないと知った小泉さんによって

痛い目にあった。


統一協会・・・むかついたので大勲位を追い込んだ。


結局、カルト陰謀説とか色々ありますが

小泉さんは単に癇癪持ちの単純な人だったとしか思えないんですが。


小泉施政の功罪、多々ございますが

ご本人の意思かどうかは別にして、

永遠に変わり得ないのではないだろうかという部分は、激しく変化しました。


拉致問題解決を求めて微力だがらビラ撒きなんぞしておりました身からしますと

劇的な変化を肌で感じた次第です。


これは、ご本人の意思に関係なくとも

やっちゃった

のだと思います。


我が国首相のあり方、の前に、連綿と続く、官僚政治の構造と、それを利用する

様々な勢力の暗躍から見て・・・・・


首相に求められるのは、その思想・理念もそうですが

最後は

何をやっちゃったか

で評価せざるを得ない実情に、少々不安を覚える次第です。


好きとか嫌いとか

単純な施政功罪は別にして、

 

結果、小泉さんの存在は大きかったなと、そのように思うのでありました^^


ネットゲリラさんのコメ欄を眺めつつ・・


http://my.shadow-city.jp/?eid=464535#comments